GIII
毎日杯(28日=阪神芝外1800メートル)は残すものの、
桜花賞、
皐月賞への主要前哨戦はほぼ終えた。ここまでに出走権(収得賞金)を得ていない馬は
オークス、ダービーが新たな目標となる。
そこで当欄が注目したのは牝馬限定の1勝クラス・
ミモザ賞(29日=中山芝内2000メートル)。ここにエントリーした
ウインマリリン陣営の話からは「まだまだこれからの馬(=伸びシロたっぷり)」、そして「距離が延びてこその馬」なのがハッキリと伝わってくる。
デビューは昨年12月21日。当舞台で2着に3馬身半差の完勝を決めた。続く1勝クラス・
若竹賞は5着止まりとはいえ、最後までじわじわと脚を伸ばし、3着馬とはクビ+アタマ差。この時キャリア1戦だったのは勝った
シーズンズギフト(
フラワーC3着)とこの馬だけ。経験値を考慮すれば上々の内容だった。
「線の細い馬体で成長待ちの段階。それに気性もまだ大人になり切ってはいないですからね。そんな状況を踏まえれば、ポテンシャルは相当高いし、伸びシロもあります。上(半兄)の
ウインヴォラーレも長めの距離が良かった(芝11~13ハロンで
JRA3勝)ように、距離はもっとあっていいタイプ。走ってくると思うし、期待度は高いですよ」
平塚助手はハッキリと大舞台を見据えている。
一方でジョッキーサイドの期待の高さを伝えてくれたのが、デビュー戦の鞍上で、今回も騎乗予定の
横山武史のエージェント。「新馬を勝った時の評価がすごく高くて。この馬に騎乗するために(同日の)中京ではなく、中山に決めたんです」と耳打ちしてくれた。18日の1週前追い切りはその
横山武史を背に南ウッドで併せ馬。最内から互角以上の動きを見せた後に、当人を直撃すると…。
「トモの感じが良くなったし、気性の成長も感じます。ただ、もともとあるハミに頼って走る癖がまだ改善されていないんです。上(のクラス)に行くにはそのあたりの成長が欲しいのですが、現状でもこのクラスにいてはいけない馬。能力が高いからこそ、求めるものも大きくなってしまうんですよね。ある程度のポジションで手綱を抱えて(=脚をためて)乗りたい。とにかく素質はかなりのものですよ」
桜花賞には、すでに栗東入りして牙を研ぐ
マルターズディオサを抱える手塚厩舎。
オークスのころには、この
ウインマリリンとの「二枚看板」になっているかもしれない。
(立川敬太)
東京スポーツ