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ローラー作戦で見つけた唯一の無敗馬デアリングタクトの真実/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年04月08日(水) 20時06分
 無敗の2歳女王レシステンシアトライアル敗退で風雲急を告げる2020年クラシック開幕戦・第80回桜花賞(12日=阪神芝外1600メートル)。出走予定馬の中で唯一、負けを知らないデアリングタクトの存在感ががぜん増してきた。果たして本物か、偽物か…。地道な周辺取材を重ね、その正体を暴き出すのは、「必ずホシを挙げる」が口癖の栗東の“捜査一課長”高岡功記者だ。ローラー作戦の末に見つけた真実とは果たして!?

 基本的にGIで強いのは「王道ローテ」を歩んできた馬たちだ。ダービーなら皐月賞からの直行組。有馬記念ならジャパンCから転戦してきた馬たち。裏を返せば、「傍流」と言われるローテで参戦してきた馬たちは、たとえ見た目の勝ちっぷりが鮮やかでも、強力メンバーが揃う本番ではいいところなし、というケースがほとんどなのだが…。

 仮に負けた陣営から「あの馬はめちゃくちゃ強かった」という証言が複数出てきたとしたならどうか?本番でも要注意の例外的な扱いをするべきなのでは。

 エルフィンSを勝ったデアリングタクトはまさにその該当例だ。直線で軽く仕掛けただけで、あっさり4馬身突き抜ける楽勝劇。これには敗れた複数の陣営から驚嘆の声が上がった。

「あの馬はちょっとモノが違う。他の馬が止まって見えるかのような脚を使っていたからね。チューリップ賞組と比較しても見劣りしないんじゃないかな。それくらいのインパクトがあった」

 こう証言したのはエルフィンSで4+2馬身半差の3着に敗れたスマートリアンの石橋厩舎・小原助手だ。

 このスマートリアンは次走のチューリップ賞で5着止まりながら…。単純に勝ち馬との着差だけでいえば、エルフィンS=1秒1、チューリップ賞=0秒3。三段論法ではチューリップ賞勝ち馬マルターズディオサの0秒8先にデアリングタクトがいた計算になる。

「あの馬は確かに強いと思いますよ。一頭だけ抜けた脚を、それも楽々と使っていましたから。本番でも怖いライバルになりそうですね」

 こちらはエルフィンS4着馬エーポスの北出厩舎・中村助手の感想だ。

 1秒2ちぎられたこの馬が次走のフィリーズレビューを勝ったことも、デアリングタクトが“本物”であることを補強する証しとなろうか。

「馬っぷりでいうと、そこまで見栄えのするタイプではないんですけどね。実際に乗ってみると、瞬発力のありそうな走りをするし、追い切ってもすぐ息が入るように、心肺機能も高いんでしょう。で、競馬ではあれだけの走りを見せてくれる。テンションが上がりやすいので、そこだけが課題ですかね」

 淡々とこう話すのは当のデアリングタクトを担当する池水助手。あくまで傍流ローテからの出走だけに、そうプレッシャーは感じていないようだが…。新馬→エルフィンSと連勝。負けを知らないことこそが何よりの魅力。コロナ禍による世の中の重たい空気を吹き飛ばさんばかりの激走が、十分に期待できると思っている。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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