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マイラプソディ 最終追い切り騎乗で「これなら…という感触はつかめましたよ」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年04月17日(金) 18時47分
 すでに現地入りしていた森、戸田両調教師の呼びかけに応え、ドバイの地に最後まで残っていた通称「7人のサムライ」の面々が帰国→2週間の自主隔離を経て、ようやく今週からトレセン復帰の運びとなった。

 厩舎の垣根を越えて、遠征した日本馬のケアを続けた彼らは、ドバイワールドカップデーの中止が決定して以降の一部始終を知っている希有な存在。これは話を聞かねば…とクリソベリルに同行した浜田助手のいる音無厩舎へ。約2か月ぶりの対面の第一声は「もう二度と行きたくない(笑い)」

 誤解のないように伝えると、浜田助手にとっては「何もかもが手探りで、現地での運営もうまいこといってなくて…。いまだに賞金の支払い延期なんて話をしている」とサウジカップの印象が悪いのであって、すでにイベントとして成立しているドバイの環境は「(アルコールを)飲めることも含めて、本当にパラダイス」だったとか。

 しかし、そんなドバイも中止が決まると同時にまるで別の世界へと変貌。夜間外出禁止令が出されるなど、事実上のロックダウンの状況になってしまったそう。「外出禁止1日前のドバイモールに行ったけど、すでに誰もいない。メシはウーバーイーツで頼んでたよ」と浜田助手。自粛、自粛と言いながら、完全に封鎖する状況ではない日本の政策は、やはり甘いのか…。

「日本でいうところの災害警報みたいなものが鳴って、夜の8時以降は街を消毒するので外出は禁止。コロナウイルスの怖さを認識し、厳戒態勢に入るまでの早さは、日本とまるで違いますね。それは痛感しました」とはアドマイヤマーズに同行していた友道厩舎の大江助手。その一方で…。

「そんな状況の中でも、さまざまなことを我慢して、開催を継続している日本の競馬はすごいと改めて感じましたよ。もちろん、競馬サークルの方々の努力があってこそなんでしょうけど、その背景には競馬ファンとの信頼関係があると思うんです。日本の競馬はファンが馬券を買ってくれることで成り立っている。その期待に応えるためにも僕らはより良いエンターテインメントを提供しなくてはならない。その思いを強くしました。自粛しますよ、いくらでも」

 厳しい規制を設けられずとも、個々の頑張りで競馬を継続している日本の素晴らしさも再認識したという。いろいろな意見があると思うが、無観客でも競馬を開催している事実に胸を張りたい。

 2週間の自主隔離中も仲間のスタッフと情報を共有していたという大江助手は「高校に入ってから現在まで、ケガ以外で馬に携わらない生活をしたことがなかった」と。そんな彼がVTRで見たマイラプソディの1週前追い切りには物足りなさを感じていたという。

 首が下がりっぱなしで伸縮が利かない。これが先週までの記者のイメージ。そんな状況を受け、最終追い切りに乗った彼がどのように料理してくるのか? そこに興味があった。

「ウチの厩舎でも攻め駆けするフライライクバードを相手に選び、楽をさせない状況を作っての追い切り。ただ、馬場が相当に悪い時間だったためか、動きだしたときに少しダラッとした状態で走ろうとしたんですよね。なので、そこでは行かせずに我慢させ、体を起こしてから走らせてみた。するとね、グンと全身を使って走りだしたんです。戻したときに動き切れず、ダラッと走るんじゃないかという懸念もあったけど、しっかりと戻ってきてくれた。これなら…という感触はつかめましたよ」

 彼の話を聞けば、先週よりも一歩前進。いやいや、二歩は進んだ? それでも押さえの評価にとどめ、話を締めようとする記者に「人気馬と比較してもヒケを取らない能力は持っています。それにね、松浪さん。ウチの厩舎は1番人気でのGI勝ちがほとんどないんですよ」と。

 確かに過去のJRA・GI・12勝で1番人気の勝利はたったの1回(ちなみにその1回は2013年ヴィクトリアマイルヴィルシーナ)。人気落ちの現状がちょっと…いや、大いに魅力に感じてきた。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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