新型コ
ロナ感染防止対策として、今週から新たな“取材規制”がトレセンに設けられた。それは午後取材(厩舎回り)に対する自粛要請である。追い切りに忙殺される午前に取材が限られれば、関係者の談話取りが簡素なものとなるのは否めない。当欄における“秘話”をどれだけ拾えるか不安は残るが、予想に関しては少ない裏付けを勝負勘で補ってみせよう。
さて、舞台が中山から東京に替わる今週からクラシックは第2のステージに突入する。まず最初に行われるのは
オークスTR
フローラS。経由馬の本番Vは10年
サンテミリオン(1着同着)までさかのぼるが、16年は
チェッキーノ、17年は
モズカッチャンが2着…直結度合いは確実に増していよう。それゆえか、
ウインマリリンを送り込む
手塚貴久調教師が示す意気込みは並ではない。
「ずいぶんメンバーが揃った感じもするけど、逆に本番まで占えそうな楽しみな舞台だね。今回の結果次第では
マルターズディオサ、
インターミッションの
桜花賞組は
NHKマイルCに挑ませ、
オークスはこの馬一頭で挑むことも考えている。なぜなら秘める素質は2頭にヒケを取らないし、それほど長丁場の適性を感じる馬だから」
血統をたどれば14年のGIII
ラジオNIKKEI賞を制した
ウインマーレライの半妹。もっとも厩舎で尺度となっているのは、一昨年まで在籍した半兄
ウインヴォラーレ(3勝)の存在だろう。「乗りやすく柔らかみがあったヴォラーレはいかにも長距離向きの印象だったけど、妹
マリリンはさらにパワーがガツンと加わった印象。きっと走ってくると思いますよ」
これは中條亮英厩務員(現在は
マルターズディオサを担当)がデビュー前に当方に伝えた言葉。3戦2勝でクラシックをにらむ現在の姿を、厩舎サイドは当初から予想していたことになる。
「中山で2勝したけど東京に替わってさらに良さが出そうというのが、ジョッキー(
横山武史)とも共通する意見。良馬場で切れ味を生かせれば勝負になるかな」と指揮官。今週は迷わずこの馬を買えばいい。いま己の勝負勘はそう告げている。
(美浦のオール自粛野郎・山村隆司)
東京スポーツ