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中谷雄太騎手が今週末で引退へ「25年間、自分なりに突っ走ってきました」

  • 2020年05月23日(土) 07時00分
 中谷雄太騎手(40=栗東・フリー)が、今週末の新潟開催をもって現役を引退することとなった。

 中谷騎手は、1998年に美浦の高松邦男厩舎からデビュー。減量がなくなり、年間未勝利に終わるシーズンもあったが、調教を担当したロジユニヴァースがダービーを勝利するなど、馬乗りへの意欲をつないでいった。

 再起をかけて、2013年11月に美浦から栗東に拠点を移し、2015年5月15日付で正式に所属変更。矢作芳人厩舎を中心に活動を続けてきた。

 2018年4月の福島開催で落馬負傷。第一第二頸椎と胸椎を骨折するという生死に関わる大きな怪我だったが、約8カ月の長期休養を経て復帰を果たした。

【中谷騎手のコメント】

「まずは、最終騎乗直前での発表になってしまったことを、お詫び申し上げます。引退することを早めにお伝えしてしまうと、“最後だから乗せてあげよう”と気を遣ってくださる方も多いと思い、このタイミングで発表させていただきました。

 一昨年に大きな怪我をして、復帰してから半年で10勝以上させていただきましたが、自分で勝ったことのうれしさや達成感よりも、無事にレースを終えたことへの安堵感や、馬に勝たせてもらったという思いが強くなり、どこかで“これでいいのか?”と自問自答していました。

 以前から、勝たせてもらった馬や関係者の方への感謝の気持ちはもちろんありましたが、どこかで自分が勝たせたという思いもありました。しかし、その気持ちが一切なくなってしまいました。自分自身のバランスが悪くなり、馬に乗ることへの怖さがあったからだと思います。

 時間が経てば変わってくると信じ、一鞍一鞍大切に乗せていただきましたが、勝負所で“命を懸けてでも勝ちに行く”という気迫が以前ほどはなくなり、自分の中でプロとしての姿勢に納得が出来ず、このような決断に至りました。

 競馬学校時代も含めると25年間、競馬の世界に身を置き、自分なりに突っ走ってきました。もともと40歳頃を節目に、第二の人生を歩んでみたいという思いを持っていたのもあり、今後は少しゆっくりさせていただいた後、新たな人生をスタートさせたいと思います。

 引退については、矢作調教師にも何度もご相談させていただきました。栗東に来られて心から良かったと思っていますし、公私共にいつも目をかけてくださった矢作調教師は、僕にとって生涯の恩師です。

 今週末も無観客競馬が続きますので、この場をお借りしまして…、応援してくださったファンの皆様、ご支援いただきました馬主の皆様、若い頃の僕を育ててくださった美浦の関係者の皆様、移籍した僕を受け入れてくださった栗東の関係者の皆様、競馬会、そして家族に深く感謝申し上げます。悔いなく騎手人生を終えられることを、大変うれしく思っております。長い間、本当にありがとうございました」

 なお、netkeiba.comでは後日、中谷騎手のロングインタビューを公開予定。山あり谷ありだった騎手人生をじっくりと振り返ります。

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