ステルヴィオ→
グランアレグリア→
サリオス。3年連続でのちのGI馬を出した3回東京開幕週の芝1600メートル新馬戦は「出世レース」としてもはや定着した。では例年2週目に組まれている芝1800メートルはどうか?
かつては「早期の新馬戦=スピードを競う」イメージだったこともあり、さほど強力メンバーが集まらない傾向にあったのだが、昨年の覇者は
日本ダービーで3番人気に支持された
ワーケア。少しずつ流れが変わってきているように思う。
というわけで、当欄が注目したいのは日曜(14日)の東京芝1800メートル新馬戦。鞍上にルメールを配する
レガトゥス(牡=父
モーリス、
母アドマイヤセプター・木村)、名門・藤沢和厩舎の
オブデュモンド(牡=父
ドゥラメンテ、
母クイーンオブトロイ)など、例年以上に評判馬が集まる中での推しメンは
グアドループ(牡=父
ヴィクトワールピサ、
母マンビア・田村)だ。
先月28日、今月4日と南ウッド併せ馬で2週連続、年長馬をアオる絶好の動きを披露。稽古をつけている高木助手は「2歳馬離れしたパワーがある。背中の感触がいいのはもちろん、走りが軽くて、身のこなしも柔らかい。スピードも兼備していますね」と手放しで褒めたたえた後、「上(のクラス)に行く馬は、いろいろとタイプの違いはあるにせよ、いい意味で普通じゃない、独特な特徴がある。この馬も個性の塊といった感じですね」と続けた。
“尋常じゃない個性”こそが将来性の高さ?
グアドループは追い切りから引き揚げる際、鳴くようなしぐさを見せたりする。まだ子供っぽさが残る2歳馬が鳴くのは決して珍しいことではないのだが、実はこれが独特の個性によるものなのだという。
「この馬の場合、行儀がいいって言うべきなのかな。みんなにあいさつをしているんですよね。馬房でも隣の馬が帰ってくれば“お疲れさん”、出ていけば“頑張ってね”といった感じで。牧場でも坊ちゃんで育てられてきたから、そのあたりがちゃんとしているんですよ」(高木助手)
牧場での育成段階から動きの良さはすでに目立っており、それゆえ大切に育てられてきたことは容易に察しがつく。つまり、坊ちゃん=行儀がいい=素質馬の証しとも言えようか。
鞍上に名手レーンを確保した
グアドループは、初陣でどれほどのパフォーマンスを見せてくれるのか。1800メートルでのデビュー勝ちは、早熟馬にありがちな一介のスピードタイプとは一線を画す証明ともなる。近年増すレベルの高さも含め、大いに注目してほしい。
(立川敬太)
東京スポーツ