確固たる実績がありながらも、近走では結果が出ていない。この手の馬の取捨を的確に見極めてこその“得ダネ”だ。GIII・
CBC賞(5日=阪神芝内1200メートル)で栗東得ダネ班が昨年の覇者に下した
ジャッジとは果たして!?
昨年の
CBC賞で見事重賞初制覇を成し遂げた
レッドアンシェルだったが…。その後は脚部不安による長期休養を余儀なくされ、復帰後2戦はともに2桁着順に終わるなど、波に乗れないまま1年が経過した。しかし、担当の久保智助手によれば、近2戦の敗因はハッキリしているのだという。
復帰戦の
シルクロードS・18着は「テン乗りのジョッキーでゲートのタイミングが合わず、衝突してしまうアク
シデントがあって…。帰厩後の動きが良かったので期待していたんですが、馬の走りたい気持ちが強く出過ぎてしまいましたね」。そして前走の
京王杯SC・11着についても「もともと1400メートルではラストが甘くなることは分かっていた。メンバーが強く、高速上がりのレースになったことで、それが目立つ形になっただけですよ」と。
割り切ったようにサバサバとしているのは、条件が好転しまくりの今回こそが“勝負時”の思いがあるからだ。適距離の1200メートルに戻るだけでなく、鞍上も乗り慣れた福永を引き続き確保。そしてこの梅雨空も、抜群の道悪適性を誇る
レッドアンシェルにとって大きなアドバンテージになることは昨年の勝利で証明済みだ。
振り返れば、不良馬場で行われた3歳時の
富士Sでは、休養明け&初の古馬相手という厳しい条件ながら4着に大健闘。レース後の福永は開口一番「水かきがついているようだったね」と口にしたほど。久保智助手はこの“水かき発言”には苦笑いを浮かべつつも、「天候や馬場状態を心配せずにレースに臨めるのはホント、大きいですよね。仮にレース当日が良馬場だったとしても、現在の阪神の馬場は荒れているので、この馬向きなのは変わらないと思います」と自信を隠さない。
昨年とは舞台は替われど、梅雨空の下での開催となる今年の
CBC賞。結果的にこの時期に合わせて再度
ピークに持ってこられたのは、
レッドアンシェルにとってラッキーだった。
「さすが重賞馬と言うべきか、“本番”が近いことをこの馬自身が感じ取っていて、気合乗りも抜群ですよ」(久保智助手)
昨年同様、荒れた馬場をスイスイとこなす
レッドアンシェルの走りが見られそうとなれば、連覇の可能性は限りなく高い。
(栗東得ダネ班)
東京スポーツ