エクリプスSは例年、3歳馬と古馬が初めて対戦する一戦として注目を集めていたが、今年は新型コ
ロナ禍の影響で、条件が“4歳以上”となった。今年の出走頭数は7頭。エネイブルらGI馬が5頭と豪華メンバーが顔を揃えるなか、日本馬
ディアドラが2つ目の海外GI奪取を目指す。
ディアドラは、今年初戦となった2月にサウジアラビアで行われたモハメドユスフナギモーターズC(芝2100m)では、出走馬中唯一のGI馬だったが、まさかの2着。ただ、冬場に良績がなく夏から秋にかけて調子を上げていくタイプだけに、この一戦は度外視してもいいだろう。今年の大目標である
凱旋門賞に向けて、好スタートを切りたいところだ。
断然人気が予想される GI10勝のエネイブルは、昨年同様の始動戦となる。昨年は道中2番手を進むと最後の直線も楽に抜け出して、2着馬とは3/4馬身差ながら余裕の勝利だったといえる。 J.ゴスデン調教師は、最近5年で同レースを3勝しており、馬さえ万全なら死角は見当たらないだろう。
展開のカギを握るのは、エネイブルに次ぐ人気を集めそうなガイヤース。先月行われた英GIコロネーションC(芝2400m)では、コースレコードをマークして逃げ切った。2400mのGIをすでに2つ勝っており、スタミナ豊富な5歳馬がエネイブルより前で楽に競馬をできれば、番狂わせの可能性もある。
ジャパンは、単勝2倍台で1番人気に支持された前走で、勝ったロードノースから0.9秒差の4着に沈んだ。しかし、3歳で挑んだ昨年の英インターナショナルS(芝2050m)では、抜群の勝負根性を見せて
クリスタルオーシャンとのたたき合いを制した。全5勝のうち、やや重2勝、不良1勝と道悪巧者だけに馬場が渋れば面白い存在になるかもしれない。
(文=一野洋)