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レイオブウォーター“ディープ産駒らしくない”が武器になる/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年07月22日(水) 18時00分
 2018年の仏ダービー(ジョッケクルブ賞)を勝ったスタディオブマンもそうだが、今年の仏オークス(ディアヌ賞)を勝ったファンシーブルーのレースぶりは、我々がイメージするディープインパクト産駒=切れるというものではない。どちらかといえば「しぶとい」と表現されるべきものだったように思う。そして、これはヨーロッパに渡った産駒だけでなく、この日本でも起こり得ることではないだろうか。

 ディープインパクト産駒の2歳馬の話を聞く時、どうしても「軽い芝向き」だとか「長い直線で切れを生かす」などの誰もが持つイメージで語ってしまうものだが、実際には様々なタイプがいる。とてつもなく柔らかい馬もいれば、ディープ産駒と思えないほど硬くてギアの上がっていかない馬もいる。

 例えば、12日の阪神芝外1800メートルで勝ち上がった友道厩舎のヨーホーレイクは母父フレンチデピュティでその先にはカーリアン。全兄にはディープ産駒としてダート重賞を初めて勝ったボレアス弥生賞を制したカミノタサハラなどがいる血統背景の馬だ。単勝1.4倍に支持されたデビュー戦を「思ったよりも芝の実戦で切れなかったな」と感じたファンも少なくないかもしれないが、実は戦前から予測されていたこと。大江助手は「単純な潜在能力の高さで勝ち負けになるとは思ってましたけど、同じタイミングでデビューした昨年のマイラプソディと比べれば、調教でしっかりと動かす段階までいってなかった。まだまだ先の馬という印象ですよ」。

 そして「ディープ産駒らしい軽いイメージの馬ではなく、パワーを生かす馬場のほうが合っているかもしれません。個人的なイメージでは東スポ杯よりもホープフルSに向いているタイプ。この表現でなんとなくわかってもらえますかね?」と続けた。

 つまりは他を圧する瞬発力で勝負する馬ではなく“しぶとさ”を生かすタイプ。逆に先週の阪神芝内2000メートルで単勝1・7倍の支持に応えられず、3着に敗れたレッドジェネシスは「ヨーホーレイクよりも強い調教を積み、新馬戦を勝てるだけの状態に仕上げていますが、柔らか過ぎるくらいに柔らかい馬。軽い芝でこそのイメージなんですよ。さっきの話で言えば、東スポ杯に向かいたいと思えるタイプ。それだけに阪神最終週の馬場は気になります」と指摘していた。レースの上がりが35秒台になるレースはテリトリーの範囲外。あの一戦で評価を落とす必要はないのかもしれない。

 そんな背景を踏まえたうえで、26日の新潟新馬戦(芝外1800メートル)に出走予定のレイオブウォーターについて考えてみる。友道厩舎にとって3週連続で登場するディープ産駒の牡馬は、同厩舎に所属するノーブルカリナンの全弟。その特徴は十分に理解しており、前記の2頭とはまた違ったアプローチで調整しているという。

「まだ力がつききっていないので、平坦の新潟はいいと思いますが、姉と同じで収縮力がなくピッチが上がっていかない。ギアが変わりにくい、と表現をしたほうが伝わりやすいかもしれませんね。でも、長い直線の新潟外回りはスローのヨーイドンだけでなく、早めに動かしていって長く脚を使わせる競馬もできるじゃないですか。早めにギアを上げて我慢させる。その部分を意識的に伸ばしていくような調教をしていますよ」と大江助手。

「ディープらしくない」と思ってしまうコメントは決してマイナスではなく、それが個性と認識したい。早め先頭からの押し切りが彼の描くVパターンなのだ。ちなみに単純な能力だけの話をすれば、この馬も先の2頭と同じで「初戦から勝ち負けを期待できるレベル」とのこと。そのパフォーマンスに注目したい。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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