「クイーンS・G3」(8月2日、札幌)
19年7月30日、競馬界に多大な功績を残した
ディープインパクトが急死してから1年。その産駒である
オールフォーラヴが、重賞初制覇を目指す。1月の
京都金杯(9着)以来となるが、早くからこの一戦を目標に定め、中間の調整は順調そのもの。中内田厩舎としても、19年覇者の
ミッキーチャームに続く連覇が懸かる。
母レディアルバローザが11年に参戦して6着に敗れた一戦で娘がリベンジを果たし、天国の父にタイトルを届ける。
現役時代の衝撃的なパフォーマンス、そして種牡馬として数多くのスターホースを輩出。
ディープインパクトの偉大な足跡は、年月を重ねても決して色あせることはない。そのDNAを受け継ぐ
オールフォーラヴが、重賞初Vを目指して北の大地に乗り込んできた。片山助手は「阪神からでも、と思っていたけど、しっかり戻るまで使わないと決めていた。仕上がりはいいし、雰囲気もいいですよ」と確かな手応えを持っての参戦だ。
父が19年7月30日に急死し、1年が経過した。かつて池江泰郎厩舎に所属していた同助手だけに、「個人的にすごく思い入れのある“池江血統”。何とかタイトルを獲らせてやりたい」と力が入る。父に加え、
母レディアルバローザも11年2月の解散までは同厩舎に所属。自らが能力を目の当たりにしてきたからこそ、その血を引く素質馬への期待も自然と高まる。
「
ディープインパクト産駒にもいろいろな馬がいて、この馬は力のあるお母さん(の特徴)が出ている。スピードが上がり過ぎる高速馬場より、洋芝の方がいいと思う」。初の北海道シリーズ参戦だが、血統からも能力発揮に支障はない。
厩舎としては、19年の
ミッキーチャームに続く連覇が懸かる。「去年は強気で来たけど、この馬はいいところで競馬を進めてはまるかどうか。勝ってもおかしくないと思うし、特殊な馬場がしっかりとはまれば、ここでも十分に対応できる」と力強い。母が勝てなかったレースを制し、両親から受け継いだ能力を証明する。
提供:デイリースポーツ