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【勝負の分かれ目 関屋記念】名手のエスコートでサトノアーサーが2年2カ月ぶりの重賞制覇

  • 2020年08月16日(日) 18時12分
 戸崎圭太が騎乗する4番人気のサトノアーサーは、ゲートを出てから行き脚がつかず、後方2番手からの競馬となった。

「プランとしては後ろからというつもりではなかったので、そこは誤算でした。が、スタートであまり出て行けなかったので、切り換えて、ゆっくり行きました」と戸崎。

 17番という外枠から、少しずつ内に切れ込み、リズムよく走っている。

 隣の大外18番枠から出たトロワゼトワルが、ゲートから1ハロンほどのところでハナに立った。

 前半4ハロンは46秒3、後半4ハロンは46秒8というイーブンに近いペースになった。

 3コーナー入口で、先頭からサトノアーサーまでは10馬身ほどか。サトノアーサーは、3、4コーナーでコースロスのない内を通り、直線に向いた。

 ラスト600m地点でも、サトノアーサーはまだ後方にいる。逃げるトロワゼトワルとの差はほとんど縮まっていない。が、戸崎は落ちついていた。

「切れる脚は持っていると思っていましたので、信じていました。直線も長いですしね。コースもよかったのかなと思います」

 そう話した戸崎は、サトノアーサーを馬場の真ん中に持ち出した。ラスト400m地点で少しだけ外に出しながらスパートし、前の馬が内にヨレるなどして進路ができるのを待ちながら追いつづけた。

 ラスト200m地点では、内を行くトロワゼトワルが逃げ切るかに見えた。

 しかし、戸崎の左ステッキを受けたサトノアーサーが1完歩ごとに差を詰め、最後は余裕を持って差し切った。ラスト3ハロンはメンバー最速の33秒7。1馬身1/4差の2着はトロワゼトワル、3着はアンドラステだった。

 サトノアーサーは、2018年のエプソムカップ以来2年2カ月ぶりの勝利。重賞はそれ以来の2勝目。そのときの鞍上も戸崎だった。

 また、戸崎にとっても、昨秋の怪我からの復帰後初の重賞勝ちとなった。

「乗り難しさもあるなかで、よく今日は勝ち切ってくれたと思います。とても嬉しく思いますし、馬がよく走ってくれたことに感謝したいです」

 スタートで立ち遅れても、無理にリカバリーするような動きをせず、後方から勝機を窺った。馬にとっては初めてだった新潟コースの特性を生かし切った、名手の冷静な手綱さばきが光った。

(文:島田明宏)

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