先週土曜の九州産限定2歳オープン・
ひまわり賞(小倉芝1200メートル)は、圧倒的人気を集めた
ヨカヨカが、牝馬57キロの酷量をモノともせずに、デビューから無傷の3連勝を飾った。熊本生まれの「九州産の星」が一躍、短距離路線の主役へと躍り出た一方で、同じく九州産ながらも、
ひまわり賞は登録だけにとどめ、一般馬相手の
小倉2歳S(日曜=6日、小倉芝1200メートル)へチャレンジするのが
ルクシオンだ。
九州産限定の新馬戦(小倉芝1200メートル)勝ち時計1分09秒8は、同日の牝馬限定の新馬戦に1秒4、2歳レコードがマークされた翌日の未勝利戦には2秒3も見劣る。これは無謀な挑戦なのか? いや、デビュー前から河内調教師の高い評価を何度となく耳にしてきた記者は十分な勝算を感じずにはいられない。
「スタートセンスがいいだけでなく、追ってからもしっかりとした脚が使える。それに小柄な牝馬だけど、これまでカイバを残したことがなくて、すごく調整しやすい馬でもあるんだ」
このトレーナーの言葉を実証するように、初戦は好発を切って楽々と主導権を取り、直線に向く手前で少し気合をつけた程度で楽勝。実に6馬身差をつけた3着
テイエムサツマドンが、
ひまわり賞で
ヨカヨカの3馬身半差2着に入ったことで、机上の計算では
ヨカヨカ相手なら五分以上とできるなら…。重賞でも十分に可能性は見いだせる。
「九州産同士の
ひまわり賞を使う手もあったけど、今年は暑さが厳しいからね。中1週で再度の輸送になるよりは、もう1週空けたほうが間違いなくいい。もちろん、先々のことも考えたい馬でもあるからね」
トレーナーは新馬戦を使う前から、勝って
小倉2歳Sへの青写真を描いていたのだそう。
「1週前のウッドでの併せ馬では古馬(2勝クラス)に楽に先着して、時計(6ハロン82・8-12・2秒)も上々。開催最終日なら1分07秒台の決着にはならないだろう。初戦で負かした3着馬は次走で1秒6も時計を詰めていた。ウチのも1分08秒台なら対応できると思うよ」
ヨカヨカと同じ熊本生まれの
ルクシオンが、1998年の
コウエイロマン以来となる九州産馬の
小倉2歳S(当時は小倉3歳S)制覇を成し遂げるようなら…。来年の短距離戦線、いや
桜花賞戦線は
ヨカヨカと
ルクシオンの「火の国の女対決」で盛り上がることになるかもしれない。
(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)
東京スポーツ