昨年の
ゴールドシップ初年度産駒のワンツー劇(
ブラックホール→
サトノゴールド)に触発されたのか、今年の
札幌2歳Sは何と同産駒5頭がエントリー。
札幌2歳S(土曜=5日、札幌芝1800メートル)における過去最多の同一種牡馬の出走は2003&04年の
サンデーサイレンス産駒、2008&12年の
ネオユニヴァース産駒の4頭ずつだから、歴史的出来事なのは間違いない。
「ウチにいる
ジュニパーベリーもそうですけど、
ゴールドシップの子は気持ちが強いし、体幹がしっかりしていて走りがブレない。そのあたりが力のいる洋芝や道悪をこなす要因かもしれませんね」
こう語るのは同産駒
ユーバーレーベンを送り出す手塚厩舎の大村泰広助手。同馬は東京(芝9ハロン=不良)の新馬戦快勝後すぐさま札幌参戦を表明したあたり、洋芝を狙い撃ちしたのは明らかである。
「札幌入厩当初は前進気勢を見せなかったのですが、メンコを外した効果か1週前の本馬場(芝コース)調教からガツンとスイッチが入ってきましたね。デビュー当初は気持ちが悪いくらいおとなしかった馬ですが、今はこれでもかというくらい元気がいい。環境に慣れたせいか、馬もハマってきた印象です」と言葉が弾む。
一方、先週札幌(芝9ハロン)の新馬Vから連闘で挑む
ヴェローチェオロの野見山伸吾助手は、こんな言葉で札幌との相性を伝えてきた。
「栗東入厩当初に担当した時はチャカチャカしてばかりの子でしたが、放牧を挟み栗東経由で札幌に入ると、日に日にお利口さんになってガラッと扱いやすいタイプに変わってきた。今はむしろ
ゴールドシップっぽくないんですよ(笑)」
いわゆる“水が合う”ということか。産駒2頭に共通するのは札幌入り後の上昇曲線。北海道デビューから飛躍を遂げたGI・6勝の父をなぞるように、その子供も北の大地で生き生きした姿を見せている。
続けて野見山助手は「前走は緩い馬場も合った感じですが、遊び遊び走って勝った。レース後も意外とケロッとして上がってきたので連闘も問題ないでしょう。でもこの馬を含めて5頭も
ゴールドシップ産駒がいるなんて面白いですよね。やっぱり適性があるんでしょうか」
洋芝=ゴルシ。
こんな図式が出来上がるのか?“連覇”を目指す産駒たちに今年も注目だ。
(札幌の下降曲線野郎・山村隆司)
東京スポーツ