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【勝負の分かれ目 ローズS】GI奪取に向け、川田騎手が提示した「回答」による勝利

  • 2020年09月20日(日) 18時00分
 中京芝2000mを舞台とするローズステークスのゲートが開いた。

 4番ヤマニンプティパが好スタートから先手を取ると、17番エレナアヴァンティが内に切れ込みながらハナを奪った。10番のアブレイズが3番手。

 川田将雅が乗る1番のリアアメリアは、これらを先に行かせて好位に控えるのかと思いきや、1コーナー手前でヤマニンプティパの外に出し、アブレイズとの間を割るようにして2番手を確保。そのまま1、2コーナーを回って行く。

「もともとこういう競馬をしたいと思っていました。この中間は、こういう競馬をしようと考えながら調整過程を歩んできて、そのとおりの走りができました。自分のリズムで、この馬の特性を生かすつもりで競馬を組み立てました」

 そう話した川田は、手綱をガチッと抑え、逃げるエレナアヴァンティを1、2馬身前に見る2番手にポジションを固定した。すぐ外にはアブレイズがマークするようにつけているが、自分のリズムを崩さず、淡々と走りつづける。

 1000m通過は1分0秒9。序盤の先手争いが激しくなったわりには落ちついた流れになった。

 3、4コーナーでもリアアメリアは抜群の手応えで2番手につけている。

 リアアメリアは、4コーナー出口でエレナアヴァンティに外から並びかけ、直線入口で先頭に立つと、そのまま後続を突き放しにかかる。

 ラスト200m手前で川田の右ステッキが入ったときには、早くも後ろに2、3馬身の差をつけていた。ラスト200mを切ってからもさらに一発右鞭を入れたが、それは気を抜かないようにするための合図だろう。

 熾烈な2、3着争いを尻目に、リアアメリアが2着を2馬身突き放してフィニッシュ。昨年10月のアルテミスステークス以来の重賞2勝目をマークした。夏を越してプラス14kgとパワーアップし、無敗の二冠牝馬デアリングタクトに挑戦する態勢を整えてきた。

「やっとこの馬本来の走りをお見せすることができてよかったです。もともとのポテンシャルが高すぎて、以前はそれをぼくが上手く使うことができず、いい内容で走らせることができませんでした。馬体が増えていたこともいい成長で、馬の雰囲気も、とてもよくなっていました。強い競馬でした」

 新馬戦から乗りつづけ、このレースが6戦目。悲願のGI奪取に向け、名手が「回答」を提示した結果の勝利だった。

(文:島田明宏)

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