「ローズS・G2」(20日、中京)
役者が違った。3番人気の
リアアメリアが2着に2馬身差をつける堂々の完勝劇。プラス14キロとひと夏を越して大きく成長した天才少女が、本来の能力を存分に発揮した。
「やっと、この馬本来の走りを見せられて良かった。自分のリズムで、この馬の特性を生かすつもりで競馬を組み立てました。結果として早く動く形になりましたが、こういう強い勝ち方ができてホッとしています」
“やっと”という言葉こそ、川田の本音だろう。デビュー前から素質にほれ込み、クラシック制覇の期待をかけてきたが、ここまで無冠。
オークス4着などでは、全く満足はできなかった。
悲願のG1獲りへ、主戦が悩み抜いた末に出した結論が先行策。「こういう競馬をしようと考えながら、調整過程を歩んできました。その通りの走りができましたね」。スタートを決めて2番手を確保。これが
リアアメリアの集中力を高めた。直線入り口で先頭に立つと、後続に影を踏ませぬまま押し切った。
川田&中内田師のコンビは、昨年の
ダノンファンタジーに続き、連覇という形で本番へ向かう。ただ、待ち受けるのは無敗の2冠女王
デアリングタクト。「体も精神的にも大人になっている。次もいい状態で出走させたい」と中内田師が前向きに話せば、川田も「
デアリングタクトに挑戦できるだけの器だと思っています。精いっぱい挑んでいけたら」と言い切る。三冠阻止へ-。完全復活を遂げた素質馬が、絶対女王の牙城を崩しにかかる。
提供:デイリースポーツ