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【白山大賞典回顧】ロングスパートで勝負強さ発揮したマスターフェンサー(斎藤修)

  • 2020年09月30日(水) 18時00分
 逃げた北海道のリンノレジェンドがしっかりペースを刻んで、勝負どころ3コーナーからは人気2頭が馬体を併せての追い比べ。いかにも地方の小回りの長距離戦らしいレースになった。

 その展開で存分に力を発揮したのがマスターフェンサーで、マーキュリーCから重賞連勝。そのマーキュリーCでは3コーナーからムチを入れて前の馬たちを追いかけていったが、着差はともかく、そのときよりも今回のほうがレースぶりは楽に思えた。

 レース中盤からはロードレガリスを相手と見たか、その直後を追走。3コーナー手前でペースが上がったあたりから川田将雅騎手はほとんど追い通し。それでもバテることはなく、追って追って長く脚を使える、これがこの馬の脚質。ロードレガリスを競り落とし、着差はクビ差だが、その着差以上の完勝だった。

 マスターフェンサーは今後も2000m以上の地方のダートグレードで強さを発揮しそう。ただおそらく瞬発力勝負には向いていない。チャンピオンズCや大井2000mのGI/JpnIを勝てる馬とはちょっとタイプが違うように思う。

 前走平安Sではまったくレースにならなかったロードレガリスだが、今回は事実上勝負になるのは出走馬の半数程度で、バラけた展開で外目を追走できたために気分を損ねることもなかった。スタート後はマスターフェンサーのうしろにいたが、最初のゴール板あたりでは馬が自分から行きたがるような感じで先頭のリンノレジェンドとの差を詰めていった。

 勝負どころの3コーナーでも行く気満々だったが、先頭に立つとレースをやめてしまうため、武豊騎手は我慢できるところまで我慢したのではないだろうか。そしてマスターフェンサーが直後に迫って来たタイミングを見計らって、スッとリンノレジェンドを交わして先頭に立った。マスターフェンサーと馬体を併せての追い比べで惜しくもクビ差だったが、脚の使いどころが難しい。

 ロードゴラッソは向正面に入ったあたりで先頭から10馬身以上も離れていただろうか。3コーナーあたりからエンジンがかかって追い上げてきたが、前をとらえるまでには至らず。レースの上りが38秒2のところ、メンバー中最速の37秒3の脚を使っているのだから、いかにも位置取りが後ろ過ぎた。

 逃げたリンノレジェンドはさすがに直線では脚が上がったが、それでも勝ち馬から1秒3差の5着。マーキュリーCでは勝ったマスターフェンサーから2秒4も離されていただけに、前走トライアルのイヌワシ賞で大差の圧勝から、やはり確実に調子を上げていた。ダートグレードで勝ち負けまではどうかだが、地方同士なら全国区のタイトルも狙える。

 東京2100mで2戦続けてマスターフェンサーを負かしていたエルデュクラージュだったが、リンノレジェンドからさらに5馬身も離されて6着。2番手を追走し、4コーナーまでは先団で踏ん張っていたが、直線を向いて失速してしまった。

 たしかに最近の金沢コースは、ある程度コースの内目を使えるようになってはいたが、それにしてもほかの馬がほとんど通っていないところをずっと走っていた影響はなかったか。今回だけで断定はできないものの、地方の砂やコース形態が合わなかった可能性もある。よほど調子を落としていたとかでなければ、少なくともマスターフェンサーとはその適性の差はあった。

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