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【日本テレビ盃回顧】ペースを読んだロードブレスに金星(斎藤修)

  • 2020年10月01日(木) 18時00分
 船橋1800mで、こんなハイペースはめずらしい。かしわ記念など1600mならスタートから1コーナーまでが短いので、行きたい馬が競り合えばその勢いでハイペースになることもあるが、4コーナーポケットからスタートする1800mは1コーナーまでの距離が十分に長い。

 サウンドトゥルーが重賞初制覇となった2015年の日本テレビ盃を思い出した。あのときはコパノリッキークリソライトが互いに譲らず3番手以下を離してのハイペース。今回勝ったロードブレスと、そのときのサウンドトゥルーはまったく同じようなレースぶりだった。

 ただ、その5年前に前で競り合ったのは1、2番人気の有力馬同士。今回、逃げたサルサディオーネはダートグレードを勝っているとはいえ牝馬同士のタイトル。サルサディオーネがハナを譲らないのはこれまでのレースぶりから明らかで、アナザートゥルースルメール騎手はなぜあれほど深追いしたのだろう。

 前半600m通過33秒8は、1200m戦のペースにしてもちょっと速い。ルメール騎手がハナを取るような勢いで行ったのは、外枠でも先頭に立って逃げ切ったダイオライト記念のイメージがあったのだろうか。

 さらに、やや離れた3番手を追走していたダノンファラオも、向正面で前のペースがまだほとんど緩まないうちに追いかけ始めた。前2頭との差を詰めた1000m通過が58秒6。さすがにこのペースでは前の3頭は残れない。

 ちなみに先の例として挙げた2015年の日本テレビ盃は、600m通過が34秒8で、1000m通過が59秒9だから、今回は前半のペースがそのときよりもさらに1秒ほども速い。それでいて勝ちタイムは、その5年前が1分50秒2で、今回が1分50秒5とほとんど同じ。いかに今回のペースが速かったかがわかる。

 結果論ではあるが、向正面で先頭から10馬身ほども離れた4番手を追走していたロードブレスあたりが適正なペース。2着のデルマルーヴルはさらに離れた位置を追走していた。

 ロードブレスにしても道中でペースが緩んだところはほとんどなく、1800m戦でも長距離戦のようなスタミナ勝負になった。追って追って長く脚を使える馬が最後の直線で台頭。2500mの名古屋グランプリを勝っているデルマルーヴルにはおあつらえむきの展開になったが、今回は勝ったロードブレスの充実ぶりと、三浦皇成騎手のペース判断を褒めるべきだろう。

「前をつかまえられることはわかっていた。追い出しのタイミングだけ」とのことなので、三浦騎手には会心の勝利となった。

 それにしてもデルマルーヴルは勝ちきれないレースが多く、これでダートグレードでの2着は中央・地方合わせて6回目。展開のアヤと言ってしまえばそれまでだが、自分でペースをつくることができない脚質ゆえということもあるだろう。

 3着には、デルマルーヴルの後ろを追走していたストライクイーグル。中央時代からダートの2000m前後を使われ、昨年ではあるが大井2400mの東京記念を勝っていたようにスタミナ勝負には向いている。

 地方馬で期待されたミューチャリーは勝ち馬を追いかけたが、直線では脚が上がってストライクイーグルに交わされ4着。勝利も期待される立場ゆえ強気に勝負に行った結果だけに仕方ない。

 アナザートゥルース5着、ダノンファラオ7着は、これが実力ではないことは確か。サルサディオーネもここでまた厳しいペースを経験して、牝馬同士もしくは南関東の重賞でマイペースで逃げられればチャンスはある。

 ヒカリオーソは残念、3度目の鼻出血。

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