「何の準備もしないで、フジテレビの女子アナの一次試験を受けたら、突破してしまった感じかな(笑い)」
荒川厩舎の佐藤助手が独特な表現で
メイショウグロッケの前走2着を評した。
その
セントウルSは6歳秋にして初の1200メートルへの挑戦ながら、好スタートから楽な手応えのまま中団のインを追走。余力十分に直線で外へ持ち出すと、残り1ハロンを過ぎたあたりからグイグイと伸びて、この
スプリンターズS(日曜=4日、中山芝外1200メートル)の有力馬の一頭でもある
ダノンスマッシュに1馬身差まで猛追。ス
プリント能力の高さを示すのに十分な内容を見せた。
「気合をつけていく競馬になるかと思っていたけど、1200メートルにも難なく対応してくれて、ラストもよく伸びていた。折り合いに不安のない馬だから、これまでは距離をこなしてくれていたけど、今思うと長めのところで切れ負けしていたのは距離が本質的には長かったのかな」(佐藤助手)
メイショウグロッケの全5勝の距離の内訳は1600メートル3勝に、1800メートル、2000メートルが各1勝。マイルはおろか、中距離にも対応してしまってはス
プリントへの参戦が敬遠されるのも無理はない。これにより不運にもス
プリントの才能の発掘が遅れただけとみれば、前走をフロック視すると痛い目に遭うかも。
メイショウグロッケ担当の阿久井助手も、佐藤助手と同様の驚きを見せつつ、ひそかに手応えを感じている。
「毎日、調教に乗っているボクも浜中君も1200メートルでこんなに変わってくれるなんて正直、思っていなかった。それがあと何メートルかあったら
ダノンスマッシュを差し切っていたんじゃないかって脚勢だったんだから…。さらに相手は強くなるけど、
モズスーパーフレアがスローで逃げることはないし、
グランアレグリアも勝ちに行く競馬で早めに動くだろうから、流れも向くはず」
初のGI挑戦。佐藤助手は当方のイレ込みぶりを察知したのか、「さすがに最終選考の今回は記念受験じゃないの?(笑い)」と、またもや独特の言い回しでスカされてしまったが…。少なくとも当方は、ス
プリント路線参入2戦目にしてGI制覇のシンデレラストーリーが現実のものになっても不思議はないと思っている。
(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)
東京スポーツ