大井1200mは内枠に入った逃げ馬が逃げられれば有利だが、逆に出負けして包まれてしまうと絶望的。がしかし、コースを知り尽くしている
戸崎圭太騎手は、流れを読んだ最高の騎乗で
ジャスティンを勝利に導いた。
4月の
東京スプリントを逃げ切っていた
ジャスティンだが、そもそも戸崎騎手は、逃げ馬が何頭もいるメンバーだけに逃げにはこだわっていないようだった。それゆえあまりいいスタートではなかったものの、慌てることはなかった。
マテラスカイが出遅れ、好ダッシュを見せたのは地元の快速馬
クルセイズスピリツ。
ジャスティンは二の脚を使って一旦は2番手まで押し上げたが、外から勢いをつけて並びかけてきた
ラプタスを先に行かせた。
馬場状態の発表は良だが、午後から降り続いた雨で湿ったスピードの出る馬場。それにしても12.1-10.6-11.1で、前半3Fが33秒8は速い。それゆえ馬群がばらけたことで
ジャスティンは控えても馬群に包まれることはなかった。そして3コーナーを回るあたりから戸崎騎手は前に
ラプタスを見ながらじわじわと外に持ち出し、直線を向いて先頭に立った
ラプタスを外からとらえにかかった。これがおそらく最大の勝因。内枠で逃げられなくともほとんど砂をかぶることなく、他馬に邪魔されることもなくレースを進めることができた。
残り200mあたりまで
ラプタスが先頭だったが、前半に行き脚をつかってしまった馬と、控えて溜めることができた馬とでは、並んでからの追い比べでどちらに分があるかは明らか。
ラプタスを競り落とし、ゴール前ではブルドックボスにクビ差、
コパノキッキングにはさらに半馬身差まで迫られたが、湿った馬場状態もあってこの実績馬2頭も振り切っての勝利となった。
さすがに後半は37秒0とかかって、勝ちタイムの1分10秒8は、まずまずの好タイム。
ジャスティンは
東京スプリントに続いて大井1200mで2戦2勝。目標とする
JBCスプリントには気分良く臨むことになる。
ブルドッグボスは8歳秋を迎えても衰え知らず。中団追走は定位置で、コースロスのない内目を回ってきた。直線よく伸びたが、
ジャスティンも止まらなかったのでクビ差まで。前走
クラスターCでも1頭だけ他馬より4〜5kgも重い59kgを背負い、メンバー中最速の34秒0という上りでレコード決着の3着に食い込んだ走りにも驚かされたが、今回もJpnI勝ちゆえ別定2kg増の58kgで、やはりメンバー中最速タイの36秒0という自慢の末脚を発揮した。
その別定重量ゆえ、今回は本番へ向けてのひと叩きと見た向きが多かったか7番人気(とはいえ人気は割れていたので9.4倍だが)。昨年も
東京盃2着から浦和1400mの
JBCスプリントを制したが、当然のことながら定量での争いとなる本番には期待がかかる。
コパノキッキングはスタートで出負け。それで馬群の中に突っ込むのはリスクがあり、4コーナーでほとんど大外を回って来たのは仕方ない。上りは36秒1だが、外を回ったぶん、直線(残り400m弱)での伸びは
ブルドッグボス以上にも見えた。陣営には残念な結果だろうが、あらためて1200mでの能力の高さは見せた。昨年の
東京盃では2番枠から逃げ切ったが、スタートがあまりアテにならないだけに、本番でも枠順とスタート次第ということになりそう。
ラプタスは前半に脚を使ったぶん、残り100mで脚が上がって4着。内枠でも脚を溜められた
ジャスティンに対して、大外15番枠から前半に脚を使ってしまった差は大きかった。初めての1200mがどうかと思われたが、流れ次第で対応はできそう。
4番人気(5.5倍)と地方馬ではもっとも期待を集めた
サブノジュニアは5着。ゴール前で切れるタイプだが、4コーナーで
コパノキッキングとほとんど同じ位置はちょっと後ろ過ぎた。とはいえ勝ち馬とはコンマ4秒差。
東京スプリントでも
ジャスティンにコンマ2秒差で2着だっただけに、能力差はほとんどない。