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【東京盃回顧】流れを読んだ好騎乗でジャスティン(斎藤修)

  • 2020年10月08日(木) 18時00分
 大井1200mは内枠に入った逃げ馬が逃げられれば有利だが、逆に出負けして包まれてしまうと絶望的。がしかし、コースを知り尽くしている戸崎圭太騎手は、流れを読んだ最高の騎乗でジャスティンを勝利に導いた。

 4月の東京スプリントを逃げ切っていたジャスティンだが、そもそも戸崎騎手は、逃げ馬が何頭もいるメンバーだけに逃げにはこだわっていないようだった。それゆえあまりいいスタートではなかったものの、慌てることはなかった。

 マテラスカイが出遅れ、好ダッシュを見せたのは地元の快速馬クルセイズスピリツジャスティンは二の脚を使って一旦は2番手まで押し上げたが、外から勢いをつけて並びかけてきたラプタスを先に行かせた。

 馬場状態の発表は良だが、午後から降り続いた雨で湿ったスピードの出る馬場。それにしても12.1-10.6-11.1で、前半3Fが33秒8は速い。それゆえ馬群がばらけたことでジャスティンは控えても馬群に包まれることはなかった。そして3コーナーを回るあたりから戸崎騎手は前にラプタスを見ながらじわじわと外に持ち出し、直線を向いて先頭に立ったラプタスを外からとらえにかかった。これがおそらく最大の勝因。内枠で逃げられなくともほとんど砂をかぶることなく、他馬に邪魔されることもなくレースを進めることができた。

 残り200mあたりまでラプタスが先頭だったが、前半に行き脚をつかってしまった馬と、控えて溜めることができた馬とでは、並んでからの追い比べでどちらに分があるかは明らか。ラプタスを競り落とし、ゴール前ではブルドックボスにクビ差、コパノキッキングにはさらに半馬身差まで迫られたが、湿った馬場状態もあってこの実績馬2頭も振り切っての勝利となった。

 さすがに後半は37秒0とかかって、勝ちタイムの1分10秒8は、まずまずの好タイム。ジャスティン東京スプリントに続いて大井1200mで2戦2勝。目標とするJBCスプリントには気分良く臨むことになる。

 ブルドッグボスは8歳秋を迎えても衰え知らず。中団追走は定位置で、コースロスのない内目を回ってきた。直線よく伸びたが、ジャスティンも止まらなかったのでクビ差まで。前走クラスターCでも1頭だけ他馬より4〜5kgも重い59kgを背負い、メンバー中最速の34秒0という上りでレコード決着の3着に食い込んだ走りにも驚かされたが、今回もJpnI勝ちゆえ別定2kg増の58kgで、やはりメンバー中最速タイの36秒0という自慢の末脚を発揮した。

 その別定重量ゆえ、今回は本番へ向けてのひと叩きと見た向きが多かったか7番人気(とはいえ人気は割れていたので9.4倍だが)。昨年も東京盃2着から浦和1400mのJBCスプリントを制したが、当然のことながら定量での争いとなる本番には期待がかかる。

 コパノキッキングはスタートで出負け。それで馬群の中に突っ込むのはリスクがあり、4コーナーでほとんど大外を回って来たのは仕方ない。上りは36秒1だが、外を回ったぶん、直線(残り400m弱)での伸びはブルドッグボス以上にも見えた。陣営には残念な結果だろうが、あらためて1200mでの能力の高さは見せた。昨年の東京盃では2番枠から逃げ切ったが、スタートがあまりアテにならないだけに、本番でも枠順とスタート次第ということになりそう。

 ラプタスは前半に脚を使ったぶん、残り100mで脚が上がって4着。内枠でも脚を溜められたジャスティンに対して、大外15番枠から前半に脚を使ってしまった差は大きかった。初めての1200mがどうかと思われたが、流れ次第で対応はできそう。

 4番人気(5.5倍)と地方馬ではもっとも期待を集めたサブノジュニアは5着。ゴール前で切れるタイプだが、4コーナーでコパノキッキングとほとんど同じ位置はちょっと後ろ過ぎた。とはいえ勝ち馬とはコンマ4秒差。東京スプリントでもジャスティンにコンマ2秒差で2着だっただけに、能力差はほとんどない。

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