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【エーデルワイス賞回顧】スピードの違いで5連勝ソロユニット(斎藤修)

  • 2020年10月16日(金) 18時00分
 8月のリリーカップではハイペースの好位追走から直線で先頭に立って後続を突き放すという強い勝ち方を見せていたソロユニットだが、さらに厳しいペースとなったここでも同じように、というより、それ以上に強い勝ち方を見せた。

 中央で芝3戦1勝というマウンテンムスメが逃げてつくったペースが前半600m=34秒2。時計の出やすい重馬場だったとはいえ、門別の2歳戦ということではかなり速い。ちなみに今年の北海道スプリントCで、あのマテラスカイが逃げたペースでも、良馬場だったとはいえ前半600m=34秒8だった。

 今回が初ダートだったマウンテンムスメは、さすがに中間600mを過ぎた3〜4コーナー中間あたりから徐々に後退。ぴたりと2番手につけていたマーサマイディアが自然な形で先頭に立つと、半馬身ほどの差で追走していたソロユニットがこれに並びかけて直線を向いた。

 ともに所属は北海道の角川秀樹厩舎マーサマイディアは1000mのフルールCを59秒7という速いタイムで勝っていた快速馬だが、これを手応え十分のままとらえたソロユニットが難なく突き放した。

 逃げたマウンテンムスメは最下位に沈み、道中後方からの追走で、4コーナーでもまだ10番手あたりだったミコブラックが直線一気で4馬身差の2着。その展開、結果からも、ハイペースを好位で追走し、最後までしっかり脚を使ったソロユニットの強さ、スピードの違いが際立っていた一戦だった。

 パイロ産駒ミコブラックはデビューからダートを使われ、1800mの新馬戦は3着だったが、2戦目となった1700m戦を逃げ切った。続く2歳1勝クラス、1400mのヤマボウシ賞はデュアリストによるレコード勝ちの4着。今回はさらに距離を短縮して1200m。道中は後方で追い通しだっただけに、もう少しゆったり流れる距離での末脚勝負のほうが向いているのではないか。

 サウスヴィグラス産駒最後の世代となるマーサマイディアは、前走1600mのフローラルCが2番手から早めに勝負にいったものの、直線では脚が上がって6着。そのレースぶりからも適性はやはり短距離か。今回も逃げ馬を自ら負かしにいき、勝ち馬からは離されたものの3着に粘ったのは評価できる。

 勝ったソロユニットの父は、この世代が初年度産駒となるアジアエクスプレス。中央では4頭が勝ち上がっているが、いずれもダートで1勝。地方では、同じ角川厩舎のスティールグレート栄冠賞で2着に入っていたが、これが産駒のグレード初制覇となった。

 この初年度産駒は175頭に種付けされ、血統登録されたのは118頭。2年目の産駒となる今年の1歳世代はさらに多く、205頭の種付けで123頭が血統登録されている。アジアエクスプレス産駒は、今後も地方のダートでの活躍が期待できそうだ。

 ソロユニットのひとつ上の半姉アザワク(父カレンブラックヒル)も角川厩舎の所属で、昨年のエーデルワイス賞では直線を向いて先頭に立ってそのまま押し切ろうかというところ、ゴール寸前でコーラルツッキーに交わされて1/2馬身差で2着に敗れていた。ソロユニットはその雪辱も果たしたことになる。

 毎年2歳の活躍馬を多く出している角川厩舎は、特に牝馬の活躍が目立ち、エーデルワイス賞はこれで6勝目。ソロユニットはデビュー戦で2着のあと5連勝。1000〜1200m戦を使われてきたが、角川調教師によると、距離は延びても大丈夫だろうとのこと。次走は未定とのことだが、マイルまでOKなら、全日本2歳優駿東京2歳優駿牝馬が視野に入ってくるだろう。

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