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【菊花賞】コントレイル偉業に矢作師万感「神様からの授かりもの」ゆかりの血統で達成

デイリースポーツ
  • 2020年10月26日(月) 06時05分
 「菊花賞・G1」(25日、京都)

 単勝1・1倍という圧倒的支持に応え、コントレイルが史上3頭目となる無敗のクラシック三冠を達成。管理する矢作芳人調教師(59)=栗東=は、福永とのコンビで15年2着に敗れたリアルスティールの雪辱を果たし、調教師として史上14人目の牡馬クラシック完全制覇を成し遂げた。また、2年連続でのJRA・G14勝は、グレード制導入の84年以降で初の快挙となった。

 温かい拍手に包まれ、思わず目頭を押さえた。コントレイルで史上3頭目の無敗三冠を達成した矢作師。首差の接戦に、ゴールの瞬間は確信を持てなかったが、周囲の祝福で勝利を実感した。「いくらか泣いていたかもしれませんね。今まで手掛けたことがない、神様からの授かり物だと思います。(三冠は)競馬の道を志した時は、夢のまた夢でした。幸せですね」と万感の思いをかみしめた。

 重圧との戦いでもあった。「自分にしかできない経験」と楽しんでいたつもりだったが、「きょうは一日緊張していました。この状況で緊張しない方法があるなら教えてほしい」と苦笑いするほど。「ファンの夢を壊したくない」と、満足に眠れない日もあった。三冠で初めてとなる有観客での一戦。「ゼロとは大きな違い。少しですが、お客さんに見てもらえてうれしい」と期待に応え、安どの表情を浮かべた。

 母ロードクロサイトは、米国のセリで自身とノースヒルズの福田洋志GMとの意見が一致して購入した馬。「お母さんから携わらせてもらっている。調教師冥利(みょうり)に尽きるし、ノースヒルズの戦略は素晴らしい」と感謝する。調教師として、常に経営者の部分と職人の部分の両方を大事にしてきた。職人の目で、母の仕入れから関わった自身ゆかりの血統。偉業達成は格別だった。

 「この後はジャパンC(11月29日・東京)と考えていましたが、厳しいレースになりましたからね。慎重に状態を見極めたい。日本競馬の宝。もっと成長させられるように、ファンのみなさんに応援してもらえるように頑張りたい」。“飛ぶ”と称された父ディープインパクトの最高傑作として、今後もファンの夢を乗せて羽ばたき続ける。

提供:デイリースポーツ

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