ケンタッキー州キーンランド競馬場で場内実況アナウンサーをつとめるカート・ベッカー氏が、コロナウイルスに感染。自宅での隔離体制に入ったため、キーンランドを舞台とした秋開催最終日となった10月24日(土曜日)を欠席。同じ州内のチャーチルダウンズ競馬場で場内実況をつとめるトラヴィス・ストーン氏が、急遽の代役として24日の実況アナウンスを行なった。

　キーンランド競馬場が発表した声明によると、ベッカー氏は微熱があり軽い咳が出ているものの、重篤な症状ではないという。

　キーンランド競馬場とベッカー氏にとって、当面の問題は11月6日と7日に開催が迫っているブリーダーズCだ。競馬場のあるレキシントン・フェイエット郡の保険衛生当局は、症状の軽い患者の場合、陽性反応が出てから10日間を隔離期間と定めており、この間にベッカー氏が快癒すれば、ブリーダーズC開催までには現場復帰出来る見通しだ。

　ブリーダーズCが、アメリカにおける馬産の中心地にあるキーンランドで行われるのは、5年ぶり2度目のことで、1997年からキーンランドで実況している名物アナウンサーの姿がそこにあるかどうか、競馬ファンにとって気がかりな状況となっている。

(文：合田直弘)