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【天皇賞・秋】フィエールマン陣営「間違いなく広い東京が一番合う」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年10月29日(木) 18時00分
「うーん、2000メートルなら、やっぱりあの馬じゃないでしょうか」

 天皇賞・秋(日曜=11月1日、東京芝2000メートル)にフィエールマンを送り出す名畑俊助手に手応えを尋ねると、少々頼りない答えが返ってきたのは先週のことだった。“あの馬”とは史上初の芝8冠がかかるアーモンドアイで間違いあるまい。昨年のパフォーマンスを思えば、確かにアクシデントがない限り負けるとは思えない。ただ、絶対がないのが競馬。何かを起こすとすれば天才肌の馬ではないか。そう水を向けると、常に控えめな名畑クンの口から徐々に興味深い言葉があふれてきた。

凱旋門賞(12着)のダメージを引きずっていたのでしょうか。有馬記念も春の天皇賞も乗っていて馬に硬さを感じていたんです。それが今回はいいころの柔らかさがようやく戻り、しっかり背中を使えるようになってきた。熱発でオールカマーを回避しましたが、災い転じて久々にいい状態で送り出せそうですよ」

 アーモンドアイは怪物だが、フィエールマンとて菊花賞天皇賞・春を最少キャリアで制した天才肌。国内GI・4戦で負けたのは硬さがあった有馬記念4着のみである。加えて5歳ながらキャリア10戦はメンバー最少。底を見せない魅力は十分に秘めていよう。

「本質はステイヤーでなく、ベストは二四くらいだと思う。二千では流れの助けが必要だけど、心臓の良さと長く脚を使う持続力を生かせればだね」

 手塚貴久調教師は展望をこう伝えるが、当方にとって印象的なのは同馬の唯一の芝10ハロン戦=札幌記念(3着)のレース後に「エンジンのかかりが遅いので直線の短い小回りは難しかった。同じ二千でも舞台が東京なら違ったでしょう」との鞍上ルメールの言葉である。同馬が東京を走るのは18年のデビュー戦(芝9ハロン1着)以来となるが、当初から「間違いなく広い東京が一番合う」が陣営の一貫した見解。GI・3勝の勲章がステイヤー色を与えるが、実は未知なる魅力が今回の舞台には詰まっているのだ。

「思ったよりハミ掛かりが良く、三千メートル級のGIをいくつも勝っている馬には思えないですね。いかに無理せず流れに乗るかがポイントですが、楽に行ければ能力的にヒケは取らないので」

 1週前追い切りでこう感触を伝えたのは、コントレイルの3冠達成など今“旬”を迎えた福永祐一。二千なら“やっぱりあの馬”と当方も思うが、フィエールマンからのスケベ馬券もこっそり買う算段である。

(美浦のアノ野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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