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【JBCクラシック回顧】何度やっても変わらないと思える上位3頭の決着(斎藤修)

  • 2020年11月07日(土) 11時20分
 クリソベリルの国内無敗は、まったく危なげのないレースぶりで継続されることになった。

 押して先頭に立ったのが3歳のダノンファラオで、チュウワウィザードがぴたりと2番手。やや離れてクリソベリルで、オメガパフュームはその直後。1000m通過61秒4というペースは、時計の出やすい馬場を考えればそれほど速いペースではない。3コーナーあたりでも縦長のまま馬群が詰まらない展開は、中央の人気上位馬と、その他の馬との能力差を感じさせるもの。

 直線を向いて、チュウワウィザードダノンファラオをとらえようかというところで、クリソベリルが並ぶ間もなく抜き去っていった。オメガパフュームが追ったものの差は詰まらず。

 1着クリソベリル、2着オメガパフューム、3着チュウワウィザードという結果は、6月の帝王賞と同じ。着差は2馬身半、2馬身で、帝王賞のときは2馬身、1馬身1/4だから、着差まで含めてその力関係はほとんど変わらず。

 チュウワウィザードにしてみれば、クリソベリルを負かそうと思えば、先行して早めにクリソベリルとの差を広げてしまうしかない。オメガパフュームにしてみれば、クリソベリルに離されずについていって、直線勝負でとらえられるかどうか。ともにクリソベリルを負かすにはこれしかないといった作戦で、しかしクリソベリルはそれらをまったく相手にしなかった。

 昨年浦和のJBCでは、チュウワウィザードオメガパフュームをハナ差でしりぞけたが、得意の舞台に変わってオメガパフュームが逆転。しかしそのはるか前にクリソベリルがいた。大井2000mが舞台なら、上位3頭の順番は何度やっても変わらないのではないかとも思える結果。

 緩みのない厳しいペースは後半もまったく緩むことなく、後半1000mは前半よりむしろコンマ3秒速い61秒1で、クリソベリルの勝ちタイムは2分2秒5。そのラップ構成では、うしろから追いかけた地方馬のみならず、GII、GIII級の中央馬でも、手も足も出ない。

 中央勢が上位を占めるなか地方馬で唯一見どころがあったのは、4着に食い込んだミューチャリー。中団を追走し、レースの上りが37秒3のところ37秒4で上がって3着のチュウワウィザードから3馬身差。前とは離れていたため映像にはあまり映っていないが、1、2着馬以外で直線伸びを見せたのはミューチャリーだけ。3歳以降、地方のダートグレードでは、これで3着1回、4着3回。しかもJpnIが3戦にJpnIIの日本テレビ盃という、一線級が集うレースでの結果ということでは、いずれ相手関係次第でダートグレードのタイトルは獲れるだろう。

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