優勝馬には
チャンピオンズCへの優先出走権が与えられるレース。春の
フェブラリーSでも使われる東京競馬場ダート1600mコースの最大の特徴はスタート部分が芝コースであるということ。そのため、全体に早いラップが刻まれる傾向があり、字面以上にスタミナが求められるコースでもある。過去10年で1番人気馬は3勝2着2回3着1回と人気に応えるケースが多いが1〜3番人気馬で見ると4勝2着4回3着3回とやや波乱傾向。過去10年の勝ち馬の前走はすべてバラバラで、年齢も3歳7歳まで幅広く、ダート
グレードを使ってきた馬も3勝2着3回と健闘している。ポイントを絞りづらいレースだ。
◎
サンライズノヴァの
父ゴールドアリュールは、東京ダート1600m戦の重賞で産駒が過去8勝。その特性を受け継いだ本馬も、東京競馬場の3歳時の
ユニコーンS、そして一昨年の当レース優勝含め4勝2着1回というコース巧者だ。今年は4戦して1勝だが、
フェブラリーS3着、
かしわ記念3着、
マイルチャンピオンシップ南部杯4着と崩れていない。追い込み一辺倒から比較的前でも競馬ができるようになって安定性が増した。59キロを背負って
プロキオンSを勝っているくらいだから58キロは問題ではないはず。
昨年の2着馬○
タイムフライヤーは、今春の
フェブラリーSは前半の半マイル46秒4、1000m通過が58秒7というハイペースを追いかけ、最後の直線で1度は先頭に立とうというシーンもあった。最後は力尽きたが、能力の高さを示した1戦でもあった。母の全兄に
タイムパラドックスがいる血統で、近親には
サクラローレルも。成長力のある血統で、使いながら馬体が増えているように、まだ強くなりそうだ。
3歳馬では▲
デュードヴァン。今年の3歳世代は
サリオスが
毎日王冠に勝ち、
オーソリティが
アルゼンチン共和国杯に勝った。ダート路線でも
カフェファラオが
シリウスSに勝ち、
メイショウテンスイが佐賀の
サマーチャンピオン2着。
ダノンファラオも強敵相手の
JBCクラシックで5着と健闘しているようにレベルが高い。この馬のサイアーラインは芝のウォーフロントだが、母がタピット×ストームキャット×アリダーとダート色が濃い。
レパードSは不良馬場だったためにペースが読みにくいが、スタートして先頭を譲り合うようなスローペースだった。
デュードヴァンとしては早めの位置取りとなったが、少々折り合いを欠いていたために最後は伸びきれなかった。今度は違うはず。
△
レピアーウィットは、
アジアエクスプレスの全弟。春の
マーチSは、この馬本来の形での競馬にはならなかったが、それでもメンバー最速の上がりタイムで3着。このコースでも勝利経験があり、すんなりと先行できるようなら怖い。連覇を狙う△
ワンダーリーデルは、春の
フェブラリーSでも4着。前が崩れるような展開になれば面白い1頭だ。△
モズアスコットは初めて背負う59キロが気になるが、58キロで
安田記念を勝っており、
根岸Sを勝ったときも58キロだったからこなしても不思議ない。