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【ジャパンC】デアリングタクト今の東京芝は望むところ!血統で3強徹底考察

デイリースポーツ
  • 2020年11月24日(火) 09時27分
 「ジャパンC・G1」(29日、東京)

 3強のうち、一体どの馬を軸にすればいいのか-。デイリースポーツ・松浦孝司がその問いに答えるべく、血統面からアプローチした。いずれも府中2400メートルで最上の結果を残してきた名馬だが、導き出されたのは無敗三冠牝馬デアリングタクト。SSのクロスに裏打ちされた爆発力は申し分なし。パワーを要する今の芝には、重厚な血統構成が合致すると見立てた。

 デアリングタクトの血統的な妙は、父の母シーザリオと、母の母デアリングハートが05年桜花賞で戦っていることだろう。ラインクラフトに敗れはしたものの、シーザリオが2着、デアリングハートが3着と好レースを展開。桜花賞はもちろんのこと、牝馬三冠を獲れる下地は整っていた。

 良血の母はわずか1戦で現役を引退。数を使っていない分、活力があり余っていたのか、初子からいきなり歴史的名牝を輩出した。父エピファネイア×母の父キングカメハメハの配合は、京成杯2着のスカイグルーヴや、現3勝クラスのクラヴェルと同じ。サンデーサイレンスの4×3のクロスが効果的で、大種牡馬のDNAをうまく受け継いでいる。

 牝馬の活躍が目立つ傾向があり、この血統の“爆発力”を発揮するには精神面の成長が不可欠。年齢を重ねつつ、メンタルが成長すれば、さらなる飛躍が期待できそうだ。

 コントレイル母ロードクロサイトはバリバリの米国血統で、ミスプロ系の中でもよりダート色が濃いファピアノ系。日本では、エンパイアメーカーダンカークの名を挙げれば分かりやすいだろうか。持久力に優れている半面、切れ味に欠ける産駒が多く、中長距離のダートで活躍馬が多いのが特徴的だ。

 だが、やはり大種牡馬ディープインパクトの血は偉大だ。母の父アンブライドルズソングとの配合からは、15年朝日杯FSを制したダノンプラチナを輩出。父系の軽さ&母系の重厚感がマッチしたことで、相乗効果が生まれている。

 ディープと同じSS系×母の父アンブライドルズソングの配合には18年大阪杯&19年ジャパンCを制したスワーヴリチャード父ハーツクライ)や、14年の菊花賞トーホウジャッカル父スペシャルウィーク)がおり、ファピアノ系の持久力を大舞台で遺憾なく発揮している。

 アーモンドアイに関してはもはや、血統の域を超えてしまった感もあるが、いま一度、G1・8勝馬のパワーの源を探ってみたい。

 父は、日本と香港で短距離G1・6勝を挙げた“世界のロードカナロア”。種牡馬としても、本馬の他に18年ホープフルS&19年皐月賞を制したサートゥルナーリアや、18年マイルCSを制したステルヴィオを輩出しており、産駒に良質なスピードを伝えている。

 母は06年のエリザベス女王杯フサイチパンドラ。他に目立った産駒は見当たらないものの、一つ下の半妹に昨年のアネモネS3着馬ユナカイト父ヨハネスブルグ)がいる。この姉妹の共通点を見いだすと、父であるロードカナロアヨハネスブルグには、ともにストームキャットの血が入っている。SS系×ストームキャットのニックスは、13年ダービー馬キズナを筆頭に活躍馬がズラリ。恐らく、爆発力の源流はここにある。

 実績だけなら18年に驚異のレコードVを果たしたアーモンドアイに逆らう手はないが、当時は斤量53キロ。血統から見える“マイル〜中距離色”を高速馬場で補えた可能性は十分にある。昨年の有馬記念での衝撃的な惨敗(9着)も気になる材料。今秋の東京芝はかなり馬場が荒れているだけに、2400メートルでこの馬らしいパフォーマンスができるかどうかが鍵になりそうだ。

 その点、デアリングタクトは3歳牝馬で斤量が53キロ。父エピファネイア×母の父キングカメハメハの重厚さを兼ね備えており、重馬場の桜花賞Vの走りを見ても、馬力を要する今の東京芝は望むところだろう。スタミナも問題なし。3歳牝馬が活躍しているデータも後押しする。

 コントレイルも母系がパワー型のマイラー血統。荒れた馬場でもさほど苦にすることはないはずだ。何より三冠戦の中でも菊花賞が最も苦しい競馬で、ダービーを圧勝した2400メートルで戦えるのは大歓迎。あっさり“父子制覇”をやってのけても驚けない。

提供:デイリースポーツ

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