無敗三冠馬の対決ということで、かなり前から話題を集めてきた
ジャパンC。いよいよですね。今回、わたしのイチオシは
デアリングタクトです。
「
桜花賞から
オークスと同じレース間隔だったので、春での調整を踏襲するように進めてきました。ひと夏越して、馬体重もそうですけど、成長を感じています」(杉山師)
この中間も「思ったとおり」の調整が出来ているということで、馬体重は480キロをキープ。叩き二走目、3歳牝馬なので53キロという斤量、そして前日最終オッズが単勝3番人気で3.5倍、と買いやすい条件が揃っているのが魅力です。
気になるのはイレこみ。例年なら、
ジャパンC当日は一種異様な雰囲気になり、その独得さに呑まれてしまうケースは過去の強豪においても多々見られます。そういう点では、コ
ロナ禍という特殊事情のため、例年よりは静かな環境で行われるのがいいほうに出るといいな、と思います。
わたしはこの秋、まだ競馬場に行けていないのですが、実際に競馬場に足を運んでいる記者仲間の話では、まだだいぶ静かみたいですもんね。競馬の盛り上がり方としては寂しいところもありますが、それが馬のためになるなら、それはそれでいいのかな、と思う今日この頃です。
馬は競馬においていちばんの財産。ホント宝物です。
宝物といえば、杉山師は
デアリングタクトという馬をどう思うか、と聞かれ、
「開業してまもない厩舎に来てくれたんですけれども、ほんと、神様からの授かりもの、と感じています」
と答えていましたね。その言葉を聞いて、国枝師がそっくりなことを話していたのを思い出しました。
「
アーモンドアイはかけがえのない宝物だよ」
名馬の引退は寂しいですが、また次の世代に新しいスターが出てくるもの。そして、こういう話を聞くにつれて、また次の宝さがしがやめられないのです。
(取材・文:花岡貴子)