10日、
名古屋グランプリ(JpnII)が
名古屋競馬場で開催される。ダート
グレード連勝中の
マスターフェンサー(牡4、栗東・
角田晃一厩舎)が注目を集める中、対抗に3月の
名古屋大賞典(JpnIII)を圧勝した
ロードゴラッソ(牡5、栗東・
藤岡健一厩舎)、
シリウスS(GIII)2着の
サクラアリュール(牡5、栗東・
村山明厩舎)など、実績ある馬たちがエントリー。スタミナも問われる特殊な一戦を前に、各場で実況を担当する大川充夫アナウンサーがレース傾向を解説する。
「
名古屋グランプリは距離2500m。全国でおこなわれるダート
グレード競走中の最長距離レースだ。
過去5年の連対馬9頭のうち、このレースの前に2000m以上のダート
グレード連対の実績を持っていた馬が7頭。
残りの2頭は18年勝ち馬の
チュウワウィザードと17年2着の
トップディーヴォだが、どちらもここまでの勝ち星が1800m以上ばかりだった。明確に、ダート長距離に適性を持つ馬が勝ち負けする、そういうレースだと言っていい。
この競走は2001年創設で、第1回は
ミツアキサイレンス(笠松)が勝ち、第2回も2〜5着馬が地方所属馬であったが、近年になるほど中央勢が圧倒し、過去10年で馬券にからんだ地方所属馬は、
カツゲキキトキト(名古屋)のみ。今年も、まずは中央勢を検討することになる。
その年の
シリウスS、
マーキュリーカップ、
白山大賞典、
浦和記念での好走馬がこのレースでも好走する例は多く、信頼度が高い。その点で、
マスターフェンサーは他をリードしている。
サクラアリュールもポイントが高い。
ロードゴラッソは
白山大賞典3着の上、今年3月の
名古屋大賞典を勝っており、コース相性がいいのもプラスだ。
ダイシンインディーは、勝ち星は1800m以上。2100mでも勝っているのは心強いが、オープンで入着歴のない馬がこのレースで好走した例はこれまでにない。
ミツバは実績充分だが、近年の連対馬は、勝ち星か重賞連対が過去1年以内にあるということは覚えておきたい。
地方所属馬では、上にあげた条件をクリアしている馬はいない。
サウンドトゥルーは実績を思えば中央勢と同格に考えるべきだろうが、10歳という年齢は、もし3着以内に入ればこのレース初。今年、南関東の長距離重賞を2勝、
ダイオライト記念3着という成績を条件クリアに近いとするかどうかも、判断が難しい。
長距離戦、鞍上の腕競べも見ものだ。
昨年優勝
デルマルーヴルの手綱をとった
岡部誠騎手は、レース直後に、『マーフィーにはないモノを、
名古屋競馬場ならオレのほうが持ってるってことですよ。マーフィーも世界的な若き天才だろうけど、やっぱり地元である以上、いろんなこと知り尽くしてて自信もあったし、それが結果に結びついた』と語っている。
天才的手腕を発揮し、フィーバーを巻き起こしていたマーフィー騎手が騎乗した
アングライフェンは昨年2着。これを抑えて勝利をおさめた
岡部誠騎手の名言だ。
地元の名手・
岡部誠は今年このレースで騎乗しないが(すれば本命にしようかと思ったが)、中央・地方の名手が数多く顔をそろえた一戦、各馬の鞍上にはぜひとも注目したい」
文=(株)耳目社アナウンサー・大川充夫
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