名古屋競馬は弥冨トレセンからの輸送競馬で開催中しか使わないため、どんな馬場状態なのかはフタをあけてみないとわからないという面がある。基本は逃げ有利なのだが、時折り、差し馬向きの馬場になるケースもある。
さて、今開催の初日、逃げた馬は[6-1-0-5]。ときには、逃げた馬の勝率が7-8割ということもあるから際立つような数字ではないが、前目を意識という小回りらしい感覚を抱ける馬場とはいっていいだろう。
しかしながら、
名古屋グランプリに目を向けると、ハナを切った馬は過去5年で[0-1-1-3]。すべて掲示板には載っているものの、逃げ切りは皆無だ。2018年、
白山大賞典1着、
浦和記念2着から参戦して単勝1.8倍の圧倒的な1番人気に支持されたグリムが3着に敗れたのも、押し出されるような形でハナに立って、好位まくり勢の格好の目標になってしまったのが敗因のひとつだろう。
10月の金沢で行われる
白山大賞典(2100m)は右回り、小回りの長めの距離や日程面からも参考にしたくなるレースで、過去5年、
白山大賞典で連対して出走してきた馬は[2-1-1-3]という結果を残している。このうち、
名古屋グランプリでハナを切る形になった馬を除くと[2-0-0-1]になる。
今年の
白山大賞典を勝って参戦してきた
マスターフェンサーの本質は左回りの広い馬場向きかとも思うが、右回り、小回りの長めの距離で結果を出せた事実を踏まえれば、メンバー的に主役がつとまる器だ。
過去10年で、
名古屋グランプリを2勝した馬は3頭。コース実績は当然、着眼点のひとつになってくるが、
白山大賞典3着から参戦してくる
ロードゴラッソには
名古屋大賞典(1900m)1着というコース実績がある。
佐賀記念(2000m)2着、
シリウスS(阪神2000m)1着と、右回りの長めの距離でも実績を残している。
前述した両馬のほぼ一騎討ちの公算が大。3着候補には2000m以上で[1-1-5-1]と、高い複勝率を誇る
サクラアリュール。過去5年で9頭の連対馬のうち、5頭がヌレイエフを有していた。この馬もヌレイエフ3×3で、地方のパワーを要する馬場で粘っこい脚を使ってくれそうだ。
(文=中日スポーツ・森徹也)