クリストフ・ルメールの
モントライゼが大逃げを打ち、5、6馬身のリードを保ったまま4コーナーを回り、直線に向いた。
川田将雅が乗る
グレナディアガーズは、序盤から余裕たっぷりの手応えでじわっと先団に取りつき、4コーナーを回りながら2番手の
ブルースピリットの外に並びかけた。
川田はこう振り返る。
「多少性格が難しい馬なので、気分を害さず、気持ちよく走れる競馬をイメージしていました。リズムよく、よく我慢してくれて、いい内容で走ってくれました」
ラスト400m地点で逃げる
モントライゼを3馬身ほどの射程にとらえた。そして、ラスト200m地点の手前で、川田は左ステッキで
ゴーサインを送った。
「後ろを待つよりは、前をつかまえに行きすぎずにつかまえに行くほうを選択しました」と川田。
一方、
横山典弘の
ステラヴェローチェは、道中は中団馬群のなかを進み、3、4コーナーではコースロスのない内を回った。前が詰まるような不利はなかったが、先行して抜け出しを狙う
グレナディアガーズとは、直線入口で3、4馬身の差があった。
そこから外に持ち出すかに見えたが、
福永祐一の
レッドベルオーブがすぐ外にいたため、内に進路を切り換えた。前2走が稍重と不良で、良馬場での競馬が初めてだっただけに高速決着に対応できるか不安視する向きもあったが、馬群を縫うように鋭く伸びる。
ラスト100m付近で前が完全にクリアになったときは突き抜けるかとも思われたが、先に抜け出した
グレナディアガーズも止まらない。
グレナディアガーズが
ステラヴェローチェの猛追を3/4馬身差で退け、先頭でゴールを駆け抜けた。勝ちタイムは2歳コースレコードの1分32秒3。
川田はこう言う。
「最後までしっかりと自分の能力を出し切ってくれました。ポテンシャルの高さは間違いないです」
時計の速い馬場も味方して、
グレナディアガーズのスピードが、
ステラヴェローチェの決め手を上回る結果となった。
ステラヴェローチェから1馬身半遅れた3着は
レッドベルオーブ。こちらも完璧に立ち回ったが、上位2頭には及ばなかった。
(文:島田明宏)