中山競馬場で行われる冬のグランプリ有馬記念。例年、この季節は芝コースが使い込まれ、荒れた馬場状態になっている。中山の芝2500ｍといえば、トラックをおおよそ一周半するコース形態。このコースの特徴は「2度急坂を上る」、「最後の直線が短いため各馬早めにスパートをかける」という点にある。

「荒れた馬場状態＋2度の急坂＋早めのスパート」、要するにパワーとスタミナと機動力というかなりトリッキーな適性が必要とされる条件である。ということで、データからは中山の長丁場で過去に好走経験のある馬たちをピックアップしていきたい。

　真っ先に挙げたいのは、ブラストワンピース。2018年に3歳で有馬記念を制覇したハービンジャー産駒だ。なかなか安定しない成績だが、中山の芝コースでは2戦2勝。内訳は前述の有馬記念(GI)と今年のAJCC(GII)で、レースの格的には十分評価していい。今回は若手ながら目下売り出し中、関東リーディングトップの横山武騎手との新コンビ。有馬記念初騎乗だが、当然、気合いも入っているはずでチャンスはあるといえる。

　次に、大穴で注目したいのはオセアグレイト。前走は中山芝3600mで行われたステイヤーズSを勝利し、底知れぬパワーとスタミナを見せた。中山芝コースでの成績着度数は[2-1-0-2]だが、着外に沈んだ2回は初重賞挑戦となったセントライト記念と、まったく完成していなかった3歳春の未勝利戦。完成された今なら適性を味方に、このメンバーでも激走があるかもしれない。

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