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【勝負の分かれ目 シンザン記念】ハナを取り切り勝負を決めたピクシーナイトが、GI獲りへ勝ち名乗り

  • 2021年01月10日(日) 17時40分
 これといった逃げ馬が不在で、どの馬が先手を取るのか予想するのも難しいメンバー構成になった。

 そんななか、好スタートからハナを切ったのは、福永祐一が騎乗する4番人気のピクシーナイトだった。

 ピクシーナイトは、昨年9月26日に行われた中京芝1400mの新馬戦で差し切り勝ちをおさめた。が、11月23日の前走、阪神芝1400mの秋明菊賞では出遅れて馬群に取りつくと行きたがり、直線入口で前が塞がるなど、スムーズさを欠いて3着に敗れていた。

 中間はゲート練習をして、初めてのマイル戦となるここに出てきた。

 ピクシーナイトはゲートからの10完歩ほどで体ひとつ抜け出し、内に切れ込みながら、引き込み線から第2コーナーに合流したあたりで単騎逃げの形に持ち込んだ。

「前回はスタートの駐立が悪かった。陣営がそこを重点的に修正してくれたおかげで、非常にいいスタートを切れました。それが大きかったと思います」

 そう振り返った福永は、周りの出方によっては、逃げる形も想定していたという。

 向正面に入っても単騎で快調に逃げ、前半800m通過は46秒3。追走に苦労するほどの流れではなかったが、1番人気のククナは中団より後ろで、クリストフ・ルメールの手は追っつけ気味に動いていた。

 ピクシーナイトは楽な手応えで3、4コーナーを回り、直線へ。そのまま後続を寄せつけず、2着に1馬身1/4差をつけてフィニッシュ。福永に通算2400勝目をプレゼントした。

 ククナも直線で伸びていたが、4着まで追い上げるのが精一杯だった。

 このレースに関しては、ピクシーナイトが単騎でハナを取り切ったところで勝敗が決した感がある。全3戦で手綱を取ってきた福永は、今回逃げて勝ったからといって、この馬を「マイルの逃げ馬」というふうにはとらえていないようだ。

「GIを勝てる能力を持っている、という認識はありました。あとはどういったレースができていけるかです。今日は逃げる形になりましたが、この次のレース次第でどの距離のGIを狙っていけるのか、ある程度見えてくると思います」

 そう話した福永とのコンビで、次はどんなレースを見せてくれるのか。大きな楽しみができた。

(文:島田明宏)

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