厳寒期に行われる芝レースとはいえ、2歳GI競走が1600mの朝日杯しか存在しなかった時代には早めにクラシックの権利を取っておきたい中、長距離馬たちにとっては貴重なレースだったが、前年最終週に
ホープフルSが組まれたことでレースの性格が少し変わってきたように思う。今年も出走馬すべてが1勝馬で、1戦1勝の馬が5頭。これらを含め新馬、あるいは未勝利戦を勝ち上がったばかりの馬が9頭で力の比較が難しい。
◎
タイソウの父は、
シンザン記念で産駒がワン・ツー・フィニッシュを記録した
モーリス。現役時代はマイラー色が強かったものの、種牡馬として距離が伸びて良さがでる産駒が多く、昨年の2歳戦では芝2000m戦で8勝を記録。9勝の
ディープインパクトと遜色のない数字を残している。母は盛岡競馬の芝重賞勝ち馬で、4代
母インヴァイトは
ウインドインハーヘアの半姉という血統だ。前走は前半1000mが65秒5というペースだったが、しっかりと2番手で折り合って、最後ゴール前11秒9〜11秒6〜11秒4の流れを楽に交わして早め先頭から押し切った。
同父○
テンバガーも好素質馬だ、6月のデビュー戦は
ダノンザキッド(
ホープフルS)、
ワンダフルタウン(
京都2歳S)に完敗の3着だったが、馬体重を10キロ絞って挑んだ小倉競馬場の2000m戦を楽勝した。母の半弟に
アドマイヤメイン(ダービー2着、
菊花賞3着)がいるファミリーで、一族には
アドマイヤジュピタ(
天皇賞・春)や12年の
京成杯3着
アドマイヤブルーもいる血統。先行力を生かしたい。
▲
タイムトゥヘヴンは、それまでの2戦が嘘のようにデビュー3戦目の未勝利戦を楽勝した。中山競馬場芝2000m戦の勝ち時計2分3秒0は、同じ日に同じ舞台で行われた
ホープフルS2着の
オーソクレースと同タイム。父は
アーモンドアイを送り出した
ロードカナロアで、
母キストゥヘヴンは
桜花賞馬。血統レベルはA級だ。
東京スポーツ杯2歳S4着△
プラチナトレジャーは追い込みが板についてきた印象だ。2000mの距離は初めてだが、母系は欧州のS級ライン。まだ奥がありそうだ。デビュー戦で最後2ハロンを11秒2〜11秒2をマークした
ヴァイスメテオールともどもしっかりとレースぶりを見ておきたい。