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【東海S】まだ底を見せていないダノンスプレンダーの“本気の姿”を見たい/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年01月20日(水) 18時00分
 地球温暖化が深刻ということで世界はエコエネルギーへの傾倒を進めているようだが、インナーにヒートテックを2枚着込み、さらにウルトラライトダウン、最後にモコモコのダウンジャケットで身を固める記者の実感は「栗東は今も寒い」。トレセン関係者も全くの同意見らしく、京都競馬場の改装工事に対して、怒りにも似た声まで聞く。なぜかって?京都開催であれば週末の調教開始は午前5時からとなるが、それ以外の開催では調教開始時間が4時(阪神開催は4時半)に繰り上がってしまうからだ。

「正直、週末の調教では手綱を持っている手に感覚がなくて、(馬に)持っていかれたら終わりだな…って思いながら乗っている。冬場の1時間(繰り上げ)は“されど1時間”なんです。例年なら5時調教の年明け京都2開催は阪神よりもマシだなと思ってやっていたのに…。どうして京都を改装しちゃうかな」とは寒さに苦しむ某調教助手。京都金杯も、シンザン記念も、日経新春杯も、中京で施行…そんな慣れない番組だけの問題ではないんだぞ!“寒がり代表”として、まず声を上げさせてもらった次第だ(なんのこっちゃ)。

 話は変わって今週末のGII東海S(24日=中京ダート1800メートル、1着馬に2月21日、フェブラリーS優先出走権)。昨年は「東海Sなのに京都で開催されて、東海テレビの方々は大変なんじゃないの?」と心配されたものだが、今年は本場扱いでも例年通りの中京開催。一昨年の覇者(昨年は3着)で、前走のチャンピオンズCでは3着と復調気配を感じさせたインティが断然の主役として注目を集めることになりそうだが…。

 個人的に注目しているのはキャリア11戦で<5・2・3・1>とまだ底を見せていないダノンスプレンダー。馬券対象を外した唯一のレースは重賞初挑戦だった昨秋のシリウスS(4着)で、それも出遅れの影響で本来の競馬ができなかったもの。まともなら重賞でも通用しそうな雰囲気満々なのだが、一番の注目ポイントは別にあったりする。

「前走にしてもジョッキー(三浦皇成騎手)は抜け出すタイミングを考えて乗ってくれていたんですけど、それでも最後はフワッとしてしまった。シンボリクリスエス産駒に乗ってきた過去の経験から思うんですが、あの馬の産駒は用心深い性格で、余裕があると物見をしてしまうタイプが多かったんですよね。ダノンスプレンダーロードカナロア産駒ですが、父のイメージはなく、母の父シンボリクリスエスに似ている。ゴール前でソラを使ってしまう癖にはその影響が出ているように感じています」(安田助手)

 抜け出した瞬間にソラを使った前々走のカノープスS(3着)はその典型とも言えるレースで、前走のポルックスSも着差はわずかハナと出し抜けを食らう寸前までいってしまった。

「レース翌週に乗った感じから馬に硬さは出ていないし、疲れなども見られない。それなら状態がいいときに“強い馬にぶつけてしまおう”ってことになったんです。今回は強い馬が引っ張ってくれそうじゃないですか。その馬を目標に頑張らせるだけ頑張らせてみて、どんな走りをしてくれるのかな、と。真面目に走り切ってくれたときの姿を見てみたいんです」

 弱い相手に無双するタイプ、強い相手に食らいつくタイプ。人間でもそうだが、競走馬にも様々なタイプがいる。これまでのダノンスプレンダーは自身より圧倒的な格上馬を相手にすることがなかったが、おそらくは後者の強い相手に食らいつくタイプ…というのが記者の見立て。寒風吹きすさぶ中京競馬場のスタンドで、それが現実になるシーンを目撃したいと思っている。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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