スマートフォン版へ

【中山記念・幕張S】松岡のお手馬“2頭のウイン”が早期復活にエール/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年02月25日(木) 18時00分
 全休明けの23日、閑散とした美浦の北馬場で出会った某調教師がこっそりとこんな話を伝えてきた。

「実は先週、人気馬で負けた直後に○○(騎手)がこんなことを言ってきたんです。“オーナーサイドから先生が文句を言われる前に、僕を下ろして構いませんよ”って。驚きました。実績を積み普段は自信がありそうに見えて、弱気になる時もあるんですねぇ」

 当方は部外者ながら分かる気もした。騎手は孤独な職業である。昔のようには(所属)厩舎のバックアップはなく、周りはすべてライバル。頼れるのは己のムチ一本だ。ゆえに気持ちを強く持ち続けない限り、不安に押し潰されそうな時もあろう。そして会話の最中、ふと頭をよぎったのが“美浦の元気印”こと松岡正海の長きにわたる孤独な奮闘だった。

 1年前の東京開催で落馬し左大腿骨骨折。8か月半の治療&リハビリを経た復帰後は47鞍でわずか1勝。骨折箇所がくっつかない影響か、らしからぬ騎乗が続いていた。ゆえにウインブライトで挑んだ昨年の香港カップも内心、懐疑的な視点で観戦したのだが…。結果は0秒1差2着。惜敗とはいえ、粉骨砕身を覚悟したかのような直線のアクションに思わず熱いものがこみ上げた。あふれたのは騎乗馬への愛、騎手としての誇り。松岡はまだ終わっちゃいない――。それを満天下に示す魂の騎乗ではなかったか。

 12日に骨折部をボルトで再固定する手術を終了した彼の復活にはもう少し時間を要しそうだが、今週中山にはエールを送るべく2頭の“お手馬”が登場する。幕張S(芝外1600メートル)のウイングレイテスト中山記念(芝内1800メートル)のウインイクシード。それぞれ松岡が強い思いで育ててきた馬である。

中山金杯(3着)は(前の)レースを勝った後にもかかわらず、戸崎騎手がパドックまで来てくれた。だからこそ、(鈴木伸)先生も2走前(ディセンバーS5着)と違い先行策をリクエストできたんです。この馬は好位のインからしぶとく脚を使う競馬をマサミがずっと教え込んできた。前走だって逃げたロザムールが粘れば際どい勝負になったはずだし、今回騎乗する(横山)タケシもそんな競馬ができればチャンスはあると思います」

 “松岡式”の継承に期待したのは、ウインイクシードを担当する関口信幸助手だ。

 一方でウイングレイテスト青木孝文調教師は「今回はガッチリ乗って体が絞れたし、千六の距離もベスト。いつまで条件馬だってマサミに言われないようにしなきゃね(笑)」。

 多くの関係者が待っているからこそ…。一日でも早い復帰を松岡自身が渇望するような競馬を、横山武が操る2頭に期待しよう。

(美浦のポツン野郎・山村隆司)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す