毎年、トレセンは2月末から3月初めにかけて、“終わりと始まり”を迎えます。特に今年の栗東トレセンは解散厩舎が多かったり、女性騎手がデビュー等、新環境を迎える方々はとても多いです!
と同時に、角居厩舎の跡地など以前使っていた建物はメンテナンスされた後に違う厩舎に生まれ変わります。この場所には上村厩舎が入ると聞いてます。かつての池江泰郎厩舎は今、野中厩舎となっているように、厩舎も人々の往来にあわせて新しく生まれ変わっていきます。
トレセンとは、日本競馬の頂点を目指す馬たちと、馬が好きで馬の仕事がしたくて、全国から志を持って集まった人々が集い、日々切磋琢磨する場所です。コ
ロナ禍でも、そのようなリアルな馬事往来を片隅で見ていられるのは幸せかな、と思う今日この頃です。
さて、毎年のことですが、18歳のフレッシュな若者のデビューには心躍りますね。
松永昌博厩舎所属の
小沢大仁騎手は、阪神競馬にて土曜日は5鞍、日曜日は3鞍に騎乗予定です。
「デビューの週から、これだけの馬に乗せて頂けて嬉しいです。子供のころから憧れだった騎手になれて、不安もありますが楽しみです」とワクワクとハラハラが同居する今の心境を伝えてくれました。
師匠も元騎手、厩舎には先輩の
森一馬騎手もいます。
「今週乗る馬の中には一馬さんが乗っていた馬もいるので、馬のクセなど具体的なアド
バイスをいただいてます。本当にありがたいですね」
小沢騎手はとても真面目でかつ馬が大好きで、馬の話をするときは目をキラキラと輝かせているのが印象的です。
「たくさんの方に愛される騎手になりたいです。積極的な競馬を心がけながら、松永先生をはじめとする皆さんへの感謝と恩返しの気持ちを忘れずに頑張っていきたいです」
ただ、真面目ゆえにプレッシャーを感じないかが心配です。デビューの前夜、ちゃんと寝れそうですか?
「緊張はあります。デビューの前の夜は…頑張って寝ます(笑)」
(取材・文:花岡貴子)