明日16日(火)、高知競馬で唯一の交流重賞・第23回
黒船賞(サラ系4歳以上・1400m)が行われる。入場制限や表彰式に勝利騎手の登壇なし等、さまざまな制限付きではあるが、まずは無事に開催できることに感謝したい。
過去の傾向を振り返ると、当然、上位には
JRA勢の顔がズラリと並ぶが、近年はやや臨戦過程に変化があるように感じる。以前は
フェブラリーSや
根岸Sといった重賞出走組が強かったが、昨年は
バレンタインS8着から
ラプタスが勝利し、2着が
大和Sで4着だった
テーオージーニアス。また一昨年は
大和S1着から
ヤマニンアンプリメが2着するなど、オープン出走組が幅を利かしている。
一昨年の勝ち馬であり、3年連続の
黒船賞参戦となる
サクセスエナジーは強豪に違いはないが、前走で
バレンタインSを勝っている
スリーグランド、前々走で
すばるSを勝っている
テイエムサウスダンあたりは近年のトレンドに合致するだけに、注目に値する存在といえるだろう。
今年は上記3頭のほかに
JRA勢はグリム、
ノボバカラが参戦。地方他地区も
モジアナフレイバー、
ヴァケーション、
インペリシャブル、
ドライヴナイトと役者揃いであり、地元高知も
スペルマロン、
アイアンブルー、
ブラゾンドゥリスという好メンバーとなったが、手綱を握るジョッキーもじつに豪華。
昨年の牡牝馬3冠ジョッキーである
福永祐一騎手、
松山弘平騎手に加え、過去
黒船賞2勝の
武豊騎手、同4勝の
岩田康誠騎手、そして地方他地区も
吉原寛人騎手を筆頭に腕達者が揃った。なかでも、
ノボバカラと
赤岡修次騎手のコンビは興味深い。
2005年に
西川敏弘騎手が
M.デムーロ騎手の代打騎乗として
ノボトゥルーとコンビを組み、2着して以来の
JRA所属馬と地元騎手とのコンビ結成。両馬ともにノボ冠の
森秀行厩舎所属馬であり、またともに9歳時でのことと共通点が多い。
近2年は
サクラレグナムとのコンビで5、4着と地元代表としての活躍を見せているが、今年はまったく違う立場での参戦。ぜひ好騎乗で沸かせてほしいところだ。
サクラレグナムの回避で出走が叶った
ブラゾンドゥリスはご存知、2017年の
黒船賞の勝ち馬。
バレンタインSを勝っての重賞初勝利となったが、その後は紆余曲折あり、2020年暮れに高知へ移籍すると翌年元日の準重賞、初夢特別を優勝。
大高坂賞3着、だるま夕日賞2着と
黒船賞選考競走で結果を残したことで、何とか大一番への出走に漕ぎつけた。2009年の
フサイチバルドル以来、地元勢は馬券に絡めていないが、
スペルマロン、
アイアンブルーともども健闘を祈りたい。
(文=風間恒一)