スピードの極限を競う春の短距離王決定戦。ただし、今年の場合は舞台となる中京競馬場が昨年12月から今年2月上旬まで断続的に使われた。第1回中京開催終了後、補修作業などを行ったそうだが、先週、先々週と雨にたたられ、スピードだけを武器にする馬には厳しい舞台になりそうだ。
◎
ラウダシオンは、
NHKマイルCの優勝馬。前走の
シルクロードSは57キロのハンデで2番人気3着だったが、2歳時以来の1200m戦で、33秒7〜45秒0のペースに戸惑ったようにも見えた。正攻法の競馬をして、この馬なりに最後も伸びてはいるのだが、荒れたインを付いた
ライトオンキューと、外目の良い部分を伸びた
シヴァージの大駆けには対抗できなかった。これまでのレース内容から1200mがベストとは思えないが、得意の左まわりと時計がかかる馬場を味方に2つめのGI制覇を狙う。
〇
ダノンスマッシュは昨秋の
スプリンターズS2着で、
香港スプリントの覇者。明らかに格上の馬だが、
高松宮記念は過去2回挑戦して1番人気4着と3番人気10着。中京競馬場は3歳時の
ファルコンSでも人気を裏切っている。
京王杯SCにも勝っているし、昨秋の
セントウルS優勝で左回りの不安説を解消しているものの、まだ右回りほど信頼は置けない。人気は確実だけにやや評価を下げた。
▲
ライトオンキューは57.5キロのハンデで
シルクロードS2着。1枠2番からのスタートだったために終始、荒れたインコースを通らざるを得なくなり、それでも最後の直線では1度は完全に抜け出るシーンもあった。結局、56キロの
シヴァージには先着を許したが、57キロの
ラウダシオンには先着した。芝1200m戦では9戦して、大きく崩れたのは休み明けの
函館スプリントSと、結果論になるが前を追いかけすぎた
スプリンターズSのみ。6歳馬とはいえ、1戦ごとに力をつけている印象もある。
△
アウィルアウェイは昨秋の
スプリンターズS3着馬。馬体重の変動が激しい馬で、はまったときの瞬発力はここでも通用しそうだが、荒れた馬場はどうだろう。
△
レシステンシアのスピードはここでも上位。初めて経験する1200mのペースに対応できれば、アッサリのシーンも。△
インディチャンプも初の1200m戦。1400mの前2走はそれぞれ敗因があった。改めて実績を見直したい。△
サウンドキアラは重賞3勝で
ヴィクトリアマイル2着。楽に追走することができればその末脚は互角だ。