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【大阪杯】堀厩舎の総大将・松山弘平&サリオス 打倒コントレイルへ視界良好/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年03月31日(水) 21時14分
 厳密に言えば、複数のイベント出演が中止になり、コロナ禍によって減収に見舞われた昨年の馬券野郎。それでも給付金をいただくほどの損害はなく、しかしその一方で往々にして経済的損失とは無縁だった競馬業界の中で受給してしまった人もいる、いや、厳密に言えば、受給せざるを得ない状況下に置かれる人がいたことに関しては誠に遺憾である。馬主の力は甚大…。

 それはさておき、大幅な減収に見舞われた人もいるのは確かであり、それは誰かというと、短期免許で我が国に来日してくる外国人騎手である。

 わずか2、3か月で数千万円の収入を得てしまうのは庶民からしてみれば夢のような話だが、これもひとえに彼らが卓越した技術を持っているため。いずれにせよ、そんなドル箱の訪日がなくなってしまった彼らの経済的損失は計り知れない。昨夏には「GIシーズンに突入する10月以降は複数の外国人騎手が来日するかもしれない」と騎手エージェントらがざわついていたが、残念ながら世界的にコロナ禍の収束には至らず、世界的ジョッキーらの華やかなりしターフの饗宴ははかなき夢に。そう、騎手エージェントにとっても沈鬱の秋であった。競馬ファンにとっても残念な事態だったかもしれないが、そんな外国人騎手に多くの馬を依頼していた厩舎にとっても頭の痛い状況は続いている。

 例えば大阪杯(4月4日=阪神芝内2000メートル)にサリオスを送り出す堀厩舎はJRA重賞62勝のうち半数近くの29勝を外国人騎手が挙げており(中央免許取得のルメール&M.デムーロも含む)、とりわけ近年は7-8割が外国人騎手によるもの(ちなみにムーアで10勝)。もちろんのこと、争奪戦が激しい彼らに依頼できるのは他ならぬ類いまれな厩舎力のたまものであり、堀厩舎と懇意な関係を結ぶことが騎手エージェントらにとっても喫緊の課題でもある。

 振り返れば、厩舎開業当初は毎週のようにコーヒーを飲みながら堀調教師を囲い、週末に出走する馬の話、あるいは雑談をしたものだが、当時から騎手選択の重要性、そして主戦騎手構築の困難について繰り返し語っていた。いつの時代も競馬は人馬の織り成すドラマ。この当代きっての戦略家が、目下のコロナ禍でいかなる手を打ってくるかと遠目から眺めていたのだが…。

 昨秋のウェルカムS(古馬3勝クラス)で厩舎期待の一頭ヒシイグアスを松山に依頼したときは驚きを禁じ得なかった。昨年前半まではタッグを組むケースはほとんど見られず、ましてや有力馬を依頼することはなかったのだから…。

 しかし、松山は激しい攻防を切り抜けて一発回答を果たし、続く中山金杯でもVをもぎ取った。前走の中山記念勝ち時には松山への賛辞を惜しみなく贈った師。要するに、まだムーアほどではないとしても、手塩にかけて育てた管理馬を任せられるパートナーとして得心したわけである。これで我が国屈指のゴールデンコンビが成立。もはや“厩舎総大将”の主戦を務めるのは自然の流れだ。

 先週木曜、松山は美浦に駆けつけてサリオスの1週前追い切りに騎乗。「イメージしていた通りの乗りやすさ。いい内容の追い切りでした。レースでは長くいい脚を使えそうだし、阪神内回りも合いそう」とテン乗りVへの手応えをつかめば、一方の堀調教師も「この馬の特性を松山につかんでもらいました。しっかりと動けていたし、ほぼ競馬の準備は整ったと思います」と打倒コントレイルに向けて視界良好ぶりをアピールした。

 一昨年暮れの朝日杯FSでのV以降、ビッグタイトルから遠ざかっているサリオスだが、今年は…今年からは違う。そしてまた、新たなる強力なパートナーを手に入れた堀厩舎もより一層の繁栄を築くであろう。今回の“大阪杯V”は、そのほんの序章にすぎない。むろん、馬券野郎は頭固定で踏み込む算段である(まだ早いだろ)。

(美浦の馬券野郎・虎石晃)

東京スポーツ

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