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【阪神牝馬S】本格化目前のイベリス 逃げか番手か試金石の一戦/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年04月07日(水) 18時00分
 昨年はコロナ禍の影響により大会史上初の開催見送りとなったセンバツ高校野球。今年は感染防止対策を徹底した関係者の努力により何とか開催の運びとなり、先週無事に幕を閉じた。

 すべての野球少年の憧れ甲子園。だが、その先にあるプロ野球での活躍と甲子園は必ずしも結びつかない。例えば規格外のパワーで話題の阪神タイガースのルーキー・佐藤輝明の高校時代は甲子園どころか、最高で県予選4回戦止まり。そう、開花の時期がいつになるかは千差万別なのだ。

 今週末の桜花賞は3歳世代の牝馬が目指すひのき舞台という意味では春の甲子園みたいなもの。だが、ゲートインできるのは18頭という狭き門だ。出走するにふさわしい能力を持っていたとしても、様々な要素がかみ合わずに涙をのむ馬たちも…。

 桜花賞の前日に、桜花賞と同舞台で施行されるGII阪神牝馬S(10日=阪神芝外1600メートル、1着馬にGIヴィクトリアマイル優先出走権)に出走するイベリスも、そんな馬たちの中の一頭だ。3歳春のフィリーズレビューでは4着で惜しくも桜への道を絶たれたものの…。そこから重賞タイトルを2つ手にして、再びこの時期を迎えた。

「スタートも良く、スッとハナに行けましたし、入りの3ハロンが34秒0。だいぶ楽させてもらいましたからね。鞍上(酒井)も3回目の騎乗でつかんでくれていたのでしょう。待ち過ぎず、早過ぎず、絶妙なタイミングで踏み込んでいってくれた」

 危なげなく逃げ切った前走の京都牝馬Sをこう振り返ったのは高野助手。鞍上の酒井は3走続けてハナへ。まさに3度目の正直で結果を出した。

 逃げる、逃げないの話になると再び3歳当時のことを思い出さずにはいられない。逃げたアーリントンCで初重賞制覇を飾ったものの、同様に逃げたNHKマイルCでは16着惨敗。秋はスプリント路線に目標を定め、逃げ一辺倒から競馬の幅を広げるべく、前に馬を置く調教を積んでいた。

「指示通りに動けているし、手応えもいいですよ」とはセントウルSを前にした高野助手。実際、レースでも控える形で3着と一応の成果を挙げたのだが…。その後は思うような結果が出ることはなかった。「やっぱり1200メートルは忙しいんですかね」とは当時を振り返る高野助手。結果だけを見れば、やはり「逃げが最善手」なのかもしれないが…。

「スタートが抜群に速い馬でもないから、必ず逃げれるわけではないし、仮に逃げることができても、毎回逃げ切れるわけでもないですから。逃げは基本戦略としてありますが、後ろからつつかれるほうが能力を発揮できるということなら、番手でもそういう競馬ができるようにならないと」

 果たして今回も果敢に逃げるのか、番手から抜け出す味な競馬を披露するのか。2年前は桜花賞出走にわずかに手が届かなかったイベリスが、いよいよ本格開花の時を迎えているのか、その試金石の一戦になることだけは間違いない。

(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)

東京スポーツ

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