阪神ジュベナイルフィリーズの1・2着馬が揃って直行となった2021年の
桜花賞。そしてこの4ヶ月の間、
ステップレースからも次々と桜の女王候補が誕生したが、これをどう考えるか。前哨戦を“正攻法”で仕留めてきた福島民報・高橋利明記者がこの一戦を展望する。
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アーモンドアイが変えた流れ
編集の方に
桜花賞の
ステップ重賞をすべて的中したとうかがって驚いた。自分では全く意識がなかった。振り返ると確かに当たっていた。しかも、昨年の
ファンタジーS以降の現3歳世代の牝馬重賞は
フェアリーS以外プラスだった。当たるコツと言われても自分の予想は正攻法だ。変わった予想をしているつもりもない。
桜花賞は2018年と2019年に的中と言われても、2018年は恥ずかしながら
アーモンドアイにたった1度本命を打たなかった痛恨のレースで、2019年は
クロノジェネシスが本命だった。果たしてお役に立てるのか。
とはいえ、確かに
桜花賞との相性は悪くない。阪神JFは得意だ。阪神芝が2006年12月に改修されて直線の長い外回りのマイルで行われるようになって紛れがなくなった。2007年
ウオッカ、2009年
ブエナビスタは阪神JFの時点から本命だった。阪神JFと
桜花賞は同じ舞台で結果が直結する。2戦とも漠然としているが決め手とスケールを重視する。短距離志向ではなくマイル以上の適性を評価する。
桜花賞で
チューリップ賞組が優位なのはやはり阪神の外回りのマイルだからだ。
しかし、近年は傾向が変わった。
トライアルに出走しない有力馬が増えた。
アーモンドアイを
桜花賞で2番手にしたのは
シンザン記念からの直行だったからだ。
アーモンドアイが流れを変えた。以降、
グランアレグリア、
デアリングタクトと
トライアル不出走組が勝っている。
阪神JFを勝った
ソダシとハナ差2着の
サトノレイナスが直行で臨む。
ソダシは安定した先行力があって崩れないが、
ディープインパクト産駒らしいスケールと末脚がある
サトノレイナスに魅力を感じている。
今年の
チューリップ賞は小粒。1着同着2頭は
メイケイエールが折り合い、
エリザベスタワーが操縦性と弱点を抱えている。伏兵で注目したいのもやはり別路線組だ。
クイーンC組は勝負強い
アカイトリノムスメより上積みが見込める
アールドヴィーヴルか。
紅梅Sで圧巻の強さを見せた
ソングラインは昨年の
デアリングタクトのムードがある。
(文=高橋利明)