ス
プリント路線の充実を図る目的で、昨年、道営ス
プリントがH1に格上げされ、施行日もこの時期からシーズン最終日へと移設された。同時にその
ステップレースとして新設されたのがこの重賞である。而してもとよりこの路線の覇権争いは、多くの有力馬が拮抗して鬩ぎ合う戦乱模様だ。長期決戦となったことで更に戦況は激化しそうである。
その混沌とした勢力図に割って入る存在として、
グレイトダージーに注目する。3歳にしてこの路線の重賞に初参戦した昨年の道営ス
プリントでは、揉まれ込んで9着に敗退。改めて今年6月の
グランシャリオ門別ス
プリントに挑戦したが、1000mの鬼・
アザワクの前に完敗を喫してしまった。
しかし、苦汁をなめたそれらの経験を糧に、能力に磨きをかけているのがわかる目下の2連勝である。特に2走前は、今回のラ
イバルたちも多数出走していた同日の
エトワール賞より0秒7速いタイムで勝利している。斤量が違うため一概に比較はできないが、タイトルに手が届くまでには成長しているということだ。揉まれ弱さを出さずに済む外枠を引いた幸運も味方に、新王者候補として名乗りを上げてもらいたい。
やはり立ちはだかるのは
アザワクだろうか。非凡なスピードが諸刃の剣となり、これまで1200mではやや粘りを欠いていたが、前走で初めて勝ち星を挙げた。これが大きな進境であるのは間違いない。ただ一方、限界まで水を含んだ不良馬場を味方にしたのも確かである。雨予報が出ているとはいえ、当日の馬場状態はよくチェックすべきだろう。
1200mでも勝ち切れることを示した
アザワクに対するマークは、これまで以上に厳しくなる可能性がある。そうして先行勢が前がかりになった場合に浮上するのは、直線勝負型の
ジャスパーシャインだ。まとめて突き抜けるシーンまで考えておきたい。
以下、
エトワール賞で重賞初制覇を飾った
イダペガサス、外枠なら常に押さえておきたい
ソルサリエンテまでを上位圏内と見た。
(文:競馬ブック・板垣祐介)