「クイーンエリザベス2世カップ・香港G1」(25日、シャティン)
日本馬4頭が参戦したクイーンエリザベス2世Cは、3番人気の
ラヴズオンリーユーが鮮やかに抜け出し、海外G1初制覇を飾った。日本馬の同レース制覇は19年
ウインブライト以来6回目(5頭目)。2着は2番人気の
グローリーヴェイズで、圧倒的1番人気に推された20年の3冠牝馬
デアリングタクトは3着に敗れた。なお、4着に
キセキが入り、日本馬が上位を独占。
力強く日の丸を掲げた。3番人気の
ラヴズオンリーユーは、
ドバイシーマクラシックで3着に敗れた悔しさを、香港の地で晴らした。19年
オークス以来のG1制覇に、日本で歓喜の瞬間を見届けた矢作師は「さすがに声が出たな」と大興奮。「ドバイで調教して、一頭で難しかった。その中でスタッフと馬が頑張ってくれた。それに感謝しています」。海外転戦で難しい調整を強いられたが、それを克服したチームの力をたたえた。
道中は
デアリングタクトを前に見る形で4番手を追走し、3角過ぎから早くも追いだしを開始する。初コンビのホーのアクションに応えて加速すると、残り1F過ぎに先頭へ。最後は
グローリーヴェイズの強襲を3/4馬身差で封じた。鞍上は「ドバイのレースを見て強いと思っていた。こっちに来てからも状態がいいのは分かっていた。非常に良かった」と力強く右手を突き上げた。
「ドバイから香港に転戦して今までうまくいった例がないので、そこを切り開けたのは良かった」と、指揮官は新たな歴史の1ページを刻んだ愛馬を誇らしげにする。今後は馬の様子を見ながらオーナーサイドと相談してからになるが、
宝塚記念(6月27日・阪神)も視野に入る。異国の地で完全復活を証明した5歳牝馬は、さらなる栄冠を目指して走り続ける。
提供:デイリースポーツ