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【天皇賞・春】GI初参戦ジャコマル 一世一代の逃げで春の嵐起こす!

東京スポーツ
  • 2021年04月30日(金) 18時34分
 伝統と格式に彩られた第163回天皇賞・春(阪神芝外→内3200メートル)が今週末の日曜(5月2日)に行われる。日本最長距離のGIとして名高いが、その一方で現在では異端となった舞台に、波乱が起こることも多々。今年はさらに特殊なコース、荒れてきた馬場、長距離実績の豊富な馬が少ないことなど、より荒れる可能性に満ちている。こんな状況ならGI初参戦のジャコマルにだって大いにチャンスがありそうだ。

 京都競馬場改修のため、今春の天皇賞は阪神競馬場の芝3200メートルで94年以来の施行となる。ただでさえ1周目が外回り、2周目に内回りを使用する特殊なコースで傾向が読みづらいうえ、主役候補筆頭だったアリストテレスが、本番と同じ舞台で行われた前哨戦の阪神大賞典で7着に沈んだことで不穏なムードが漂い始めている。さらにGI馬2頭は、直近の成績が物足りない16年のダービー馬マカヒキ、19年の菊花賞ワールドプレミアでは…。

 展開のカギを握る逃げ馬ジャコマルに注目する手もあろう。出走馬中最多のキャリア(36戦)を誇る7歳馬が、ようやくオープン入りしたのは昨年末のグレイトフルS。12番人気の低評価をあざ笑うかのような鮮やかな逃げ切り勝ちだった。

 今年に入っての重賞3戦は、そのすべてで見せ場をつくり、人気を上回る着順に善戦した。

「切れる脚は使えないだけに、先行して粘り込む形に持ち込みたいタイプ。ただ、早めに動いて行く競馬をして少々きつい展開となっても、かわされてからバッタリと止まるという感じはありません。スタミナという点ではかなりのものなんでしょう」というのが松永幹調教師のジャコマル評。

 スピードには欠けるものの、キャリアを積み重ねながら培ってきた体力勝負には自信ありのキャラクター。もちろん初めてのGI挑戦でも構えは“徹底先行”だ。

「好位で運んだAJCC(7着)、ダイヤモンドS(7着)でも頑張ってくれましたが、やはり前走(日経賞5着)のように逃げる形のほうがいいでしょうね。同型との兼ね合いは気になるところですが、たとえハナを切れなくても勝負どころでは早めに動いて行くような競馬になると思います」。強豪相手にも、自分のスタイルを貫く姿勢を見せる松永幹調教師。

 もとより逃げ馬に人気はいらない。春の天皇賞の歴史をひもとけば、04年の10番人気イングランディーレはすいすいと7馬身差の圧勝。12年の14番人気ビートブラックは途中からハナを奪って楽々逃げ切った。

 中間の調整も順調そのもので「1週前追い切りの時計(ウッド6ハロン81.2-39.0-12.6秒)は少し速くなりましたが、いつもと変わりない動き。今週で態勢は整うと思います。さすがに相手の強いGIでどうかですが、距離が延びる分にも、馬場が悪くなっても大丈夫な馬。ジョッキーもこの馬の特徴はよく分かってくれているので、しぶとさを生かす競馬をしてくれると思います」。

 トリッキーなコース形態と多くの馬が未経験の距離、傷みが目立ちだした荒れ馬場…。レースに不確定要素が増えれば増えるだけ、伏兵ジャコマルが“春の嵐”を巻き起こす可能性は高まるようにも思える。

(特捜班)

東京スポーツ

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