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バスラットレオン“NHKマイルC落馬”の悪夢を吹き飛ばす満点馬体/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年05月28日(金) 20時40分
 NHKマイルC直後、バスラットレオンはSNS上で「トレンド入り」してしまった。3番人気の支持を集めながら、スタート直後につまずいて、まさかの落馬。仮に大観衆の前で行われていたなら悲鳴が聞こえてきそうなシーンだった。付け加えると、空馬状態でも無邪気に走る姿もまた、いろいろな意味でうけていたような…。

 このバスラットレオンの知名度を飛躍的に引き上げたのは3走前(1勝クラス平場)。3月デビューの新人女性騎手・古川奈穂が初勝利を挙げた時の“相棒”として地上波のスポーツニュースでも取り上げられたほどで、2馬身半差快勝の鮮やかなゴールシーンが記憶に残っている方も多いのでは。

 続くニュージーランドTでは藤岡佑介に乗り替わったものの、そのレース内容はこれまた圧巻。2ハロン目からすべて11秒台のラップを刻んだ上で5馬身差の独走劇を決めてしまった。

 ここで改めて問いたい。バスラットレオンの快進撃の始まりは「奈穂マジック」によるものだったのか? 担当の武村助手には「そうだとファンは盛り上がるんやけどな(笑)」と、やんわり否定されてしまったが、変身ぶりの要因については丁寧に教えてもらえた。

札幌2歳S(3着)が終わって栗東に戻ってきてから担当になったんだけど、当時の状態は最悪。初めてまたがった時はトモがクタクタで、ハミに乗っかってキャンターをしていたくらい。本当に新馬を勝った馬なのかっていう感じだった」

 振り返れば、札幌2歳Sはラスト1ハロン13.0秒を要する、2歳戦にしては相当にタフな競馬。その疲れが肉体面、そして内臓面にも出てしまっていたようだ。つまり、昨秋からは明らかに本調子には程遠い状態。にもかかわらず、暮れの朝日杯FSでは4着と格好をつけられたのは地力の高さ以外の何ものでもない。

「(年明けの)シンザン記念(3着)の後に放牧に出たんだけど、そこからようやく本来の姿に戻ってきた感じだった。いい状態の時に(古川)奈穂が乗って結果も出してくれたって感じかな」

 もちろん、落馬による競走中止になった後も、上り調子だった状態に陰りはない。

「1週前追いに乗ってくれた(藤岡)佑介も“前回よりも良くなっている”と言ってくれたくらい。馬体がムキムキになって張りからして違うからね。力みもうまく取れている感じだから、今の雰囲気なら距離もこなしてくれるんじゃないかな」

 左肩の手術を行い、現在は秋の復帰に向けてリハビリ中の古川奈穂は、NHKマイルC時に東京競馬場に駆けつけて手伝いをしていた。このダービー(30日=東京芝2400メートル)も裏方として携わることになるようだが、自身に初勝利をプレゼントしてくれたバスラットレオンの走りを見て何を思うのか。

 復帰後もしっかりと結果を残せていければ、近いうちにすべてのジョッキーの憧れでもある「夢の大舞台」に立てる日が訪れるのではなかろうか。

(栗東の遠吠え野郎・難波田忠雄)

東京スポーツ

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