第1回東京優駿競走(
日本ダービー)が行われた目黒競馬場の名称を由来とするレースで、
日経新春杯、
アルゼンチン共和国杯とともにGII格付けのハンデ戦として、親しまれているレースだ。2006年からは
日本ダービー当日の最終レースに組み込まれている(2011年は前日に施行)。ダービーと走行距離は100mしか違わないが、こちらは坂下からのスタートとなるためにより持久力を問われるレースだ。
◎
ヒートオンビートは3勝クラスの美濃Sに勝ち、
大阪ハンブルクCはレコード決着のクビ差2着。少々器用さには欠けるものの、長く良い脚を使うタイプで1年前の3歳5月に初勝利を記録したあとは8戦して3勝2着3回3着1回。馬券圏内を外したのは、最後の直線で大きな不利があった
西宮Sの4着のみで、どんなポジションからも確実に伸びる末脚が武器。
前走は鞍上が決め手の甘さを意識しすぎたか、早めに先頭に立ちすぎた印象だが、レコード決着の立役者になった。今回、重賞初挑戦で据え置きの55キロはハンデとしてやや見込まれた感もあるが、克服できるだけの素質馬と見ている。
〇
グロンディオーズも互角だ。この馬は全5勝を左回りの競馬場で記録している
サウスポー。クビ差勝利の
ダイヤモンドSから2キロ増はやむを得ないとはいえ、当時3着以下には5馬身の差をつけており、恵まれたともいえる。長い休みがあったために出世が遅れたが、もともと4戦3勝で
菊花賞に駒を進めた素質馬。勝てば、古馬の中、長距離路線に新風を吹き込む存在になれるかもしれない。
▲
ディアマンミノルは
御堂筋Sを勝って、
メトロポリタンSで勝ち馬と0.1秒差3着。当時は別定56キロを背負わされていたが、今回は54キロと恵まれた。2歳秋のデビュー戦を勝った時から素質を認められていた馬だが、3歳春シーズンは不完全燃焼。それでも、昨年秋には長距離の特別競走を2連勝し、
菊花賞にも駒を進めている。
美濃Sは出遅れたうえにスローペースの流れになって持ち味を生かせなかったが、近2走はいずれも出走メンバー最速の上がりタイムを繰り出している。今回が試金石だが、54キロなら一発あっても不思議ないくらいに力をつけている。
△
アドマイヤポラリスは
サンシャインSの優勝馬。前走、その
サンシャインSは3勝クラス初挑戦だったにもかかわらず、トップタイのハンデを背負いながらしっかりと勝ち切った。もともと末脚は光るものをもっていたが、ゲートを上手に出ることができなかったために惜敗を繰り返してきた馬だが、今年に入ってからゲート難を解消し、安定味が増した。東京競馬場は初めてとなるが、急坂が待ち構えるコースよりも長い直線向きと評価されていた馬だけに楽しみだ。
△
ナムラドノヴァンは同じ左回りの
万葉Sをレコード勝ちし、
阪神大賞典3着。
天皇賞・春は強敵相手に58キロを背負ってレコード決着に手も足も出なかった印象だが、今回のメンバーで54キロなら持ち味であるスタミナを生かせそうだ。
2年連続2着△
アイスバブルは昨年と同斤量であれば無視はできないし、
菊花賞2着の実績がある△
サトノルークスも4キロ減なら侮れない。