「葵S・重賞」(29日、中京)
無我夢中だった。2番手追走から、残り1F手前で余力十分に先頭に立った
レイハリア。亀田は右ステッキを連打し、懸命に相棒を鼓舞した。外から
ヨカヨカが強襲し、鼻面が並んだところがゴール。「向こうは勢いがあっていい脚。負けたかな、と思っていました。祈るだけでした」。写真判定の末、鼻差による軍配。接戦をモノにし、13番人気の伏兵を見事に重賞初制覇へと導いた。
デビュー3年目の20歳にとっても、これがうれしい重賞初タイトル。「同期も今年に入って
ボンボン重賞を勝っていましたし、勝ち星も多かったので、僕も負けてられないと思っていました」。“新・黄金世代”とも称される競馬学校35期生は、20年の斎藤(
CBC賞=
ラブカンプー)を皮切りに、21年に入って団野(
日経新春杯=
ショウリュウイクゾ、福島牝馬S=
ディアンドル)、菅原明(
東京新聞杯=
カラテ)も重賞V。ラ
イバルから得た刺激を力に変え、つかんだ勲章だった。
5年ぶり重賞3勝目となった田島師も「乗り役が前回からうまく乗ってくれていたしね。イメージ通りの競馬ができたと思う」とたたえた。今後は休養を挟み、古馬との初対決を見据える。「まだまだ成長すると思うし、楽しみ」と鞍上。重賞Vでつかんだ自信を胸に、人馬ともにさらなる進化を遂げ、一線級の強豪に挑んでいく。
提供:デイリースポーツ