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【函館2歳S】ポメランチェは人馬の信頼関係、追い切りパーフェクト!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2021年07月16日(金) 23時14分
 今夏の北海道シリーズは東京五輪の影響により、通常ならスタートから函館開催になるところを最初の3週は札幌で行われた。その札幌芝コースは高速決着の連続。開幕週にトーセンサンダーが芝1200メートルの2歳コースレコード(1分08秒9)をマークすると、翌週にはポメランチェがさらに1秒も更新するタイム(1分07秒9)で圧勝した。その2頭を含め大半が逃げ、先行から押し切る競馬だったのだが…。

 対照的に先週の函館芝1200メートルの2歳戦2鞍の連対馬の4角通過位置は「5」→「8」、「3」→「6」で逃げ馬の連対は一度もなし。通常開催でも函館開幕週、もしくは2週目で好時計勝ちした馬が、函館2歳Sの行われる最終週特有の荒れた馬場に苦しみ、人気を裏切るケースが多いだけに、タイムをそのままうのみにして飛びつくのは危険な気もする。

 そんな疑いを抱きながら函館競馬場に到着後、真っ先に向かったのがポメランチェがいる牧田厩舎の出張馬房。トレセンで見かけるこの時期の2歳牝馬はピリついている子が多いが、そのイメージを覆し、拍子抜けするほどのんびりした表情で出迎えてくれた?ポメランチェの姿にまず驚かされた。

「おとなしいですね」と古閑助手に振ると「すごく人が好きな馬で本当に手がかからない。オンとオフがハッキリしていて、オフだと寝てしまうぐらいなんですよね。馬場に出てカリカリしたのは初日ぐらい。函館に来てからはオフの時間が多いのもあって、環境に慣れるのも早かったし、だいぶリラックスしていますね」と実に穏やかな口調で教えてくれた。

 最も気になっていた高速馬場の札幌から函館に舞台が替わる点も「デビュー前に函館の芝で矢作厩舎のキングエルメスと併せて、抜群の手応えで先着。そのキングエルメスが札幌の新馬戦を快勝したんだから、函館に替わるのもまったく問題ないですよ」と不安をあっさりと一蹴。「以前は函館のウッドではあまり動けなかったけど、先週はそこそこ動けていた。調整も順調ですよ」と歯切れのいい言葉が続いた。

 その言葉を裏付けたのが最終追い切り。芝でなく再びウッドを選択し、標的を5馬身追走。3角で早くも並びかけながらも、鞍上の指示に従ってしっかり我慢すると、直線では鋭い切れ味で堂々の先着を果たした。400キロにも満たない小さな体とは思えない力強い動きに、さらなるパワーアップを実感させられたうえに、人を信頼しているからこそ指示にもしっかり従える、まさにパーフェクトな追い切りだ。騎乗した藤岡佑も「前に行く2頭を目標に理想的な追い切りでしたし、ガツガツ行く感じではなく、我慢も利いていた」と。この内容ならハナを主張しない競馬でも何ら問題はないだろう。

 ちなみに他馬と比べて尻尾がとても短いのがポメランチェのキュートさを倍増させており、「牧場でこすりつけてしまったみたいで…。これでもだいぶ伸びてきたんですよ」(古閑助手)と、ほほ笑ましいエピソードも披露してくれた。レースでも短い尻尾を懸命に振って、真っ先にゴールを駆け抜ける姿が目に浮かぶ。

(函館の追跡野郎・松井中央)

東京スポーツ

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