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【マーキュリーC回顧】スタミナ勝負に強いマスターフェンサー/斎藤修

  • 2021年07月21日(水) 18時06分
 勝ち馬だけでなく2、3着馬も含めてリピーターが多いこのレースだが、今回は前年より別定4kg増の58kgを背負ってもマスターフェンサーが見事連覇を達成してみせた。

 逃げ・先行でも好成績を残しているバンクオブクラウズが逃げるかと思われたが、積極的に行く馬はおらず、ならばと大外から大井のホーリーブレイズがハナをとった。マスターフェンサーバンクオブクラウズは互いを意識しながら、枠なりでマスターフェンサーが2番手をとった。1コーナーに入る手前でデルマルーヴルがやや気合をつけて4番手につけ、ヒストリーメイカーが5番手、ラストマンはそのうしろを追走した。

 結果、5頭のJRA勢が掲示板独占となったが、3コーナー過ぎでホーリーブレイズが一杯になって後退し、デルマルーヴルヒストリーメイカーが入れ替わっただけ。前の隊列はほとんど変わらないまま、着差が広がってのゴールとなった。

 その要因は、時計のかかるタフな馬場。盛岡ダートコースは6月の開催前に砂を入れ替えタイムがかかるようになっていたのに加え、ここ数日の猛暑でパサパサの良馬場。さらにこの日・月・火の開催の中でも、ラチ沿いがどんどん深くなっていた。この3日間のメインレース前後の、3コーナー手前、正面からのカメラの映像を見るとそれがよくわかる。日曜日はラチから2メートルほどしか空けていなかったのが、月曜日にはそれが倍ほどに広がり、さらに火曜日のマーキュリーCでは内ラチから6〜7mほども空けて走るようになっていた。

 松山弘平騎手は、おそらくそうしたタフな馬場と、58kgという斤量を考えての2番手だったと思われる。マスターフェンサーは、昨年のマーキュリーCからの3連勝に象徴されるように、地方の2000m以上の舞台で長く使える脚を生かすスタミナタイプ。それが今回の時計のかかる盛岡コースで存分に生かされた。

 勝ちタイムは昨年(2分3秒0)と同じ良馬場でも2秒7も遅い2分5秒7。逃げたホーリーブレイズが刻んだ1000m通過62秒6は、タフな馬場を考えると相当に厳しい。そのペースを追走して乗り切れるかどうかで明暗が別れ、最後までペースを緩めずマスターフェンサーが走りきり、これに食い下がったバンクオブクラウズが2馬身差。そして3着のヒストリーメイカーはそこから10馬身も離された。

 盛岡のダートグレード(短距離のクラスターCを除く)ではゴール前接戦になることが少なく、能力差以上に着差が開くことが多い。加えてこのマーキュリーCでリピーターが多いのは、得意不得意が結果に表れやすく、今年のタフな馬場はマスターフェンサーになお有利に働いた。

 また、短距離戦や、中距離でも直線だけの瞬発力勝負となると、斤量差の影響が大きいが、ゆったり流れてスタミナ勝負の長距離戦では斤量差もそれほど大きくは影響しない。4kg増となったマスターフェンサーには、昨年より2秒以上も時計がかかる馬場は少なからず味方したと思われる。

 バンクオブクラウズは、これで名古屋大賞典から4戦連続2着。ここ2戦の2着はともに東京2100mで、直線に坂のあるスタミナが要求されるコース。バンクオブクラウズもどちらかといえばスピードよりもスタミナ勝負のタイプといえそう。上がり3Fはマスターフェンサーと同じ38秒0。勝負どころから使った脚はまったく一緒で、それを考えると、仮にマスターフェンサーと枠順が逆で、バンクオブクラウズが内で2番手につけていたら、バンクオブクラウズが勝っていた可能性も考えられる。

 一方、ヒストリーメイカーは、東京大賞典が0.1秒差4着、マーチSアンタレスSがともに小差の2着だったが、それらはスピード優先のコース。実際、昨年のマーキュリーC白山大賞典では、ともにマスターフェンサーに1.1秒差で4着に負けており、今年は着順こそ3着に上げたが、タフになった馬場が1秒9という大きな差になった。

 昨年マスターフェンサーの2着に好走したデルマルーヴルは、今年も昨年と同じ57kgだったが、3着のヒストリーメイカーから1馬身差、勝ったマスターフェンサーからは13馬身も離されての4着。デルマルーヴルも地方の小回りコースで結果を残しているスタミナタイプだが、ここ一連の結果からも昨年当時の調子にはなかったようだ。

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