夏競馬が幕を閉じ、関東圏では秋の中山開催がスタートする。開幕週のメイクデビューには
キストゥヘヴン、
アユサン、
ハープスターといった
桜花賞馬の子がスタンバイ。秋を待っていた良血馬たちの走りに注目だ。
【9月11日(土) 中山芝2000m】
◆
インザーギ(牡、
父ハーツクライ、
母マーゴットディド、美浦・
黒岩陽一厩舎)
母は英G1ナンソープSの勝ち馬。2歳上の半姉Magic
Attitudeは昨年の米G1ベルモント
オークス招待Sを勝っている。ここ2週はウッドチップコースで古馬と併せ、しっかりと追われた。
9月2日には雨を含んだ馬場で5F66.3-1F12.1を計時している。「まだ緩いぶん、スッと動けないようなところがあったけど、ひと追い毎に反応が良くなってきた。操縦性はいい。お母さんは短い距離で走っていたけど、ゆったりと走れる距離が合いそうです」と
黒岩陽一調教師。
鞍上は
C.ルメール騎手を予定している。
◆
エンギダルマ(牡、父
ルーラーシップ、
母アユサン、美浦・
手塚貴久厩舎)
母は
桜花賞馬。叔母に阪神JF3着の
マウレアがいる。8月中旬からウッドチップコースで順調に追い切りの本数を重ね、9月1日には5F68.5-1F11.8を計時。しっかりと追われ、併せた
コパノカールトンに先着した。
「まだトモに甘さがあるけど、ひと追い毎に良化している。馬格もあるし、速いところに行けば動く。ハミに乗っかっていくようなフォームで機動力はありそう。あとは中山の急坂で踏ん張りがきくかどうかだけど、いい競馬ができると思います」と
手塚貴久調教師。
鞍上は
横山武史騎手を予定している。
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エールトゥヘヴン(牡、父
ロードカナロア、
母キストゥヘヴン、美浦・
戸田博文厩舎)
母は
桜花賞馬。現3歳の全兄にニュージーランドT2着、
京成杯2着の
タイムトゥヘヴンがいる。春に入厩して以来、厩舎で入念に調教を積んできた。9月2日にはウッドチップコースで5F69.1-11.8を計時。古馬を相手に優勢の手応えで併入と順調に態勢を整えてきている。
「お兄さんより、いい瞬発力がありそう。ある程度は距離もこなせると思います」と斎藤調教助手。鞍上は
福永祐一騎手を予定している。
【9月12日(日) 中山芝1600m】
◆
ライラスター(牡、父
ロードカナロア、
母ハープスター、美浦・
岩戸孝樹厩舎)
母は
桜花賞馬。9月1日にはウッドチップコースで3歳馬の
レッドヴェロシティを長めから追走し、7F102.6-1F12.2を計時した。5日にも坂路で4F54.4-12.6の追い切りを消化している。
「わりとコンパクトな体形。まだ多少の緩さがあるけど、フットワークは悪くないし、血統的にも期待しています。気持ちの面と口向きに難しいところがあるので、詰め込み過ぎないようにしてペースを上げていきたいと思っています」と太田調教助手。
鞍上は
川田将雅騎手を予定している。
◆
ルージュエクレール(牝、父
エピファネイア、
母マーブルケーキ、美浦・
萩原清厩舎)
白毛一族の牝系だが、この馬は父譲りの鹿毛に出た。伯母に
ユキチャン、いとこには
ソダシや
ハヤヤッコがいる。9月1日には芝で追われ、併せた
チュラーダに先着。小柄な牝馬で仕上がりは順調そうだ。
鞍上は
横山武史騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)